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中学生9 ページ10

月「あーん」

貴「…はいはい」



口の中に甘いソースと肉の旨味が混ざり合う
だいぶ料理も上手くなったものだ


そんな感じだが場所は屋上。


当然部室より人がいるから恥ずいんだけど
そんなことも気にせず口の中のものを飲み込んだのを確認して次のものを箸で運んでくる


再び口にする
それの繰り返し


それが何日も続いた



朝晴は無事に県大会を勝ち進み、準優勝で上の大会にまで出場することが決まったらしい

何から何まで二番目の男だなぁ


貴「ん、ご馳走さん。じゃあ教室戻るわ」

月「…先輩!」


立ち上がったところを呼び止められて
思わず座り直しちゃう僕


訊ねるともぞもぞとした


え、何それどゆこと


月「体育祭と文化祭、近いじゃないですか」

貴「あ〜そうだねぇ」

月「その、一緒にまわりませんか」




…つまり

貴「デートってこと?」


冗談でそう言うと顔を真っ赤にして「うっさい」と
口元を隠した。…否定はしないんダネ

「別にいいけど」と言うと嬉しそうに笑い
ガッツポーズを見せる


…噂で聞いたんだけど
月島くんって冷静で静かだけど意地悪な性格だって嘘だったのかなぁ?


こんな犬みたいに尻尾でも振ってるかのような奴
そんなようには見えない



屋上で別れて、教室に戻ると深刻そうな顔の朝晴が僕の机の近くで立っていた


貴「朝晴、場所移してあげるよぉ」


ニマァと笑いかけるも「あぁ」と返すだけで
そのまま部室へと二人で向かった



着くなりなんなりポロっと涙をこぼした

貴「準優勝の件かな?」


こくんと頷きながら涙を拭うその姿が
昔の自分と重なって見えた


朝「…俺、最後の最後で足滑らせて負けた」

貴「うへぇご中傷様」


パフォーマンスステージは場所によるが
人の汗なんかで滑りやすくなったりする


きっとそこでやらかしたんだろうな〜



貴「…長いようで短かったねぇ〜僕達の夏」

朝「そうだな…」

貴「人数不足で来年にはダンス部廃止だとよ」



「絶対お前のせい」とか言うのを無視して
独り言をぽつりぽつりとこぼしていく


貴「お疲れ」



その言葉に朝晴はまた泣き出してしまった

どぉして僕の周りには泣き虫くんしか
居ないのかなぁ〜と思いつつ部室の床に寝転んだ


同級生7人で挑んだ部活は後輩を招くことができずに廃止。複雑な終わり方だが出来ることはできた。





貴「…片付け、しないとね」


唇を噛む仕草をしてから朝晴の背中を軽くぽんっと叩いた

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作者名:砂漠* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月5日 18時

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