中学生5 ページ6
貴「何これ?」
自分のクラスに登校して席につこうとすると
机の上に弁当箱と手紙が置かれていた
「月島くんが置いてったよ」
隣の席の人からそう言われてよく一昨日の事を思い出す
…そう言えば好き嫌い聞かれてたな
これか
手紙を拾い上げて丁寧に折りたたまれたそれを開く
『先輩へ、栄養とか気にしてください』
…なぁにこれオカンかよ
素直じゃないねぇ
てかアイツ僕の事好きだろ
ため息をついて手紙を取り敢えずポケットに突っ込み弁当箱を鞄の中に入れた
昼休み、ダンス部の部室で風呂敷を広げた
…デカくね?
恐る恐る蓋をあけると…
貴「…何これ」
思わず素の声が出てきた
何故なら…中身は嫌がらせかというぐらいに
焼け焦げた何か、何かの汁でぐちゃぐちゃなサラダ
見た目でわかるパサついた白米…
…アイツ料理音痴なの?味見した?
てか卵焼きくっっっっろッ
トントンとノックの音と共に朝晴が入ってきた
あとからアイツがヒョコッと顔を出した
朝「入りたそうにしてたから入れたぞ〜…
ってぎゃはははははッ!!何それ!?」
貴「弁当」
朝「何?お前急に料理できなくなったわけ?」
…チラッとみるとなんだか申し訳なさそうな顔をしていた。本人からもこれが失敗作だとは思っている様子
なら何故それを渡そうと思った
付属されていた箸を持ち、パクっと口にする
月「!」
朝「うっそだろお前死にたいの??」
試しに全部一口ずつ食べたが美味しいとはお世辞にも言えない代物だった
貴「…あのね〜月島クゥン?卵焼きの色知ってるよね?黄色、黄色だよ?黒じゃないの。
消しカスじゃないんだから焼き過ぎない。
あと中に何入れたし味濃すぎ。
サラダも別にドレッシングとか無理に入れなくていいから。そのままで良いから。
白米に関しては固すぎ、水ちゃんと測ってやりなさいな
一応全部食うけど腹痛で今日休むからね
あと量多すぎィ!!」
文句を本人にぶちまけながらも言い切り
バクバクと勢いよく口にかきこむ
口の中は謎の酸っぱさ、苦さ、青臭さが広がる
感想言っていい?クッソ不味い
何とか食べきりバンっと勢いよく箸を叩きつけるように置いた
貴「み、水ぅ…」
朝晴から水を受け取りすかさず流し込む
それからため息をつきながらペットボトルのキャップをしめる
貴「そんで?何で泣いてんの」
ポロポロと涙を零す月島くんに声をかけた
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