中学生12 ページ13
体育祭、見事な晴天の下
楽しげに学年ごとに集まり円陣を組む中
僕は普通に円陣に入らず近くの木の近くにあるベンチに腰をかけていた
ジュコーッと紙パックの中身をストローで吸い
ふと月島くんのクラスを見た
…あ、なんか女子にたかられてやんのぉ〜
とか思ってると月島くんがこちらに気づき、
手を小さく振ってきた
振り返さないどこ
知らんぷりをするとムスッとした顔で列に連れて行かれたんだけどウケる
「うっわ〜可哀想〜」と横から現れた朝晴
どうやら呼びに来たようだ
朝「お前借り物競争出るんでしょ？」
貴「勝手に決められたやつなぁほんっとウザい」
飲みきった紙パックをゴミ箱に投げ入れて
重い腰を上げた
半袖の上に着た白いパーカーのポケットに手を突っ込み、のそのそと朝晴のあとを追った
日陰のエリアに行き、自分の出番を待つ間に
ペラペラと予定表を見ていると借り物競争の１つ前のリレーに『月島 蛍』と名前が書かれていた
へぇ、リレーでんの。しかもアンカーじゃん
足速いのかなとか思ってる自分にマジ鳥肌
なんで気になってんの僕…
球投げ、綱引き、障害物…色々過ぎて
後輩くんの出番があるリレーへと
朝「あ、月島だ」
順調に抜かしていく中、
…わざと、なんだろうな
別のアンカーが足をかけた
それで勢いよく転び、倒れたが再び走り出し
なんとか月島くんのチームは3位に
その場にいた全員がそれに気づき、そのアンカーを責め立てた
僕は勢いよく身を乗り出し月島くんの元に行き
パーカーを脱ぎ、怪我した足を覆った
そんな様子をみて唖然とする奴らに僕はお得意の笑顔を見せた
貴「責める前に怪我人心配しろこのクソガキ」
肩を貸して自分のクラススペースに運び、日陰のベンチに座らせた
「大丈夫」とか「大袈裟」とか言う
月島くんを放って覆ったパーカーを一度外した
たらり、と傷口から垂れる血をパーカーで軽く拭う
朝「水持ってきたから洗え」
「救急箱持ってきたよ！」
貴「お前らマジさんきゅ」
責め立てていた別クラス共を無視して僕のクラスは
こちらに手当をできる準備に取り掛かっていた
ペットボトルのキャップを開けて「滲みるからな」と一言かけて水をかけて汚れを落としていく
ぎゅっと服を掴む手が強張るのが分かった
コットンで軽く水を拭き取ってから
大きめの絆創膏を貼り、手当て終了
そのまま僕は足をかけた奴の元へ向かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
