第３１章「嫉妬と嫉妬」 ページ31
食卓の片付けを手伝っていると私の服装に疑問を抱いたのか首を傾げてエルンドさんが私に声をかけてきた
イシス「あらぁ？珍しい服ね、もう少し首を出さないと熱がこもるわよ〜」
そう言って私の首ものを捲り始める
私の止めるよう促す言葉は聞いてもらえず
見事に赤い痕が見つかった
エルンドさんはキョトンとした表情で
見つめてからニコォっと笑う
イシス「あらあら〜…いつの間にそんな関係になったのよ〜！相手は？」
貴「ち、違います…っこれは事故で…」
イシス「そうなの？それじゃあ私が上書きしても良いわよね？」
「え？」と返す間も無くエルンドさんは
首元に顔を近づけてきて思わず硬直した
…ボスっと後ろに引かれて誰かに当たってしまう
エルンドさんは再びキョトンとして後ろの人物を見つめていた
…チラッと見えた左手首に染み込んだ呪いのような文字に誰だか理解してしまった
カナタ「…エル、喉乾いた〜」
イシス「あら〜フェリ…それじゃあ飲み物を作るから手伝ってちょうだい。」
カナタ「う、うん〜」
そしてずっと近くで見ていたインラードさんが
私の元へ来た
…理由は確実にこの事だ
タム「…な、何で…その痕、フェリ様じゃないよね…」
少し泣きそうでいて本当のことを言った途端、
殺されてしまうかのような殺気を感じた
貴「む、虫刺されです…」
誤魔化し切れていないような言葉にリビングのソファーに座っていたノフさんが小さく吹き出した
それに食いかかるように睨みつけてインラードさんは親指の腹部分を噛みちぎり"能力発動"。
血が蛇のように勢いよく流れていきノフさんの首元で鋭く突きつけた
タム「何笑ってんのよ、殺してやろうか？」
こ、怖い…
初めてこんな姿を見たせいでな体が震える
しかしそんなインラードさんの様子にも構わず
本を読み続けながらノフさんは口を開いた
ロウ「フェリに嫌われてるくせによくもまぁ頑張るもんだな、て思っただけだが？
お前にアイツの何が分かる。
それに能力を無駄に使ってたらまたアンヴァルに怒鳴られるぞ」
流れるように煽るノフさんの首元をインラードさんの血の刃が少しずつめり込んでいきノフさんの首から血が垂れる
タム「五月蝿いわね、いいわ。このまま殺して…」
カナタ「何してんの」
インラードさんが驚いて振り返ると貰ったであろう飲み物を飲みながらジトーッと見ていたフェリさんが立っていた
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