九十三話…? ページ48
その後は抜け殻のように時間を過ごした。
二郎くんと別れ際 酷く心配されたが僕は愛想笑いをしつつ「大丈夫」と言う事しか出来なかった。
今までの地域を盛り上げるラップバトルでは済まないこのバトル。真剣勝負で常に相手チームと異質な空気が漂うのだ。
白膠木さんとは約束通り飲みに行ったが
思い悩む僕の背中に触れようとした手を止め、いつも通りオヤジギャグを連発していた。
きっと気を使ってくれたのだろう。白膠木さんにも不安が移ってしまっていたのだろうか、少し饒舌であった。
店を出た後別れを告げ、互いの帰り道を歩いた。
『…長野は僕達の居場所…』
自身の地元での思い出が込み上げてくる。
…しかしそれと同時に他のディビジョンの人達との時間も溢れてきた。
「闘いたくない」。そんな気持ちを押し殺さなければ
僕は、長野代表で…今までも「居場所を守る」と一心不乱に進んできたつもりだ。
何度も女である僕にラップができるのか、
代表というプレッシャーや周りの圧に負けそうになっては仲間に助けられてきた。
…生半可な気持ちで代表で居続けることを望んだつもりじゃない。
大きく息を吸って吐き出す
暗くなってきた空を見上げる。
これも暗い気持ちになったとき、気持ちを切り替えるために行うルーティーンのようになってきたな…
薄らと見える星々達。
『僕がやらなきゃ、誰がやるんだ』
女々しさを捨てなければ。
僕の代わりなんて誰もなれないぐらいに強くならなければ
『…全員ぶっ飛ばしてやるよ』
そんな気持ちで挑まなければ他のチームにも迷惑だ
闘うなら思いっきり言葉をぶつけ合おう。
苦しい思いして、自分達の思いを乗せて、叫ぶように
…
『ナガノディビジョン代表 山桜 A。』
女も男も関係ない。
僕は僕らしく闘わせてもらう。
新たな思いを胸に踏み込んだ1歩は自身にとっても
大きな成長を実感させた。
全てわかりきったつもりで僕は歩み出した。
静かに忍び寄る闇に気づくことも出来ずに
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砂漠*(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!グダグダ進行になってしまいますがナガノディビジョンの応援よろしくお願いします!( ̄^ ̄ゞ (2022年1月5日 17時) (レス) id: d153b48b76 (このIDを非表示/違反報告)
yuki - とても好きな物語だったので更新宜しくお願いします (2022年1月5日 10時) (レス) @page47 id: 17169564a0 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠*(プロフ) - 猫目石さん» 大変お返事が遅れてしまいすみません!(; ;)ナガノディビジョン推しありがとうございます!イラスト全然OKですのでもし描いていただけたらぜひ教えてください|´-`)ヒソリ (2021年12月22日 17時) (レス) id: d153b48b76 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠*(プロフ) - 貴方の作品のファンさん» 大変遅れてすみません!(; ;)これから少しずつ更新していきますので気長にお楽しみください!m(_ _)m (2021年12月22日 17時) (レス) id: d153b48b76 (このIDを非表示/違反報告)
猫目石(プロフ) - ナガノディビジョン推しです!良ければ二次創作のイラストを描かせていただいてもよろしいでしょうか?(マイク起動したところとか。たぶんというか妄想だけになりますが、) (2021年7月25日 10時) (レス) id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
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