9話目 ページ10
こういう時は直撃！お母さん！が1番確実だ！
お母さんのコミュ力が兄に遺伝したことは十二分に知っている。ヒーローかつ歌手の母なら人脈もかなり広いはずだ。
なら、エンデヴァーの息子が生まれたかどうかも知ってるはず！
母に会いに行くと言い兄と離れ、たどたどしく走りながら台所で料理をしていた母に声をかける。
「おかあさん！」
「なぁに？私のAちゃん？」
おぅふ。首を傾げる姿もお美しいですねお母様。手を止めてこちらに近づいてきてくださった。相変わらず優しい。
「えっとね。ようちえんの友だちがね。エンダバーがすきなんだ！」
「もしかしてエンデヴァー？そ、そうなの。変わった子ね……」
ごめんなさい。ウソです。
アンチホイホイだからなあいつ(偏見)
「それでね！エンダバーに息子がいるよってきいたの！私もお友だちになりたいなー！」
がばっと顔をあげると自然と前髪が後ろに流れ、キラッキラにさせたお目目を見せつつ猫なで声をだす。
年齢詐欺の死神探偵もビックリな演技力だな！
えんだばーももちろん意図的ですよこんな所遺伝して欲しくなかったわ！
「うっ！！そうね！！！確かにAちゃんと同い歳の男の子がいるって聞いたわ！！それなら直ぐに冷に聞かないと！！」
即OKらしいです。流石お母さん！伝手があるとはさすがコミュ力カンスト息子の母！胸を抑えているのはこの再見なかったことにしよう。
「れいさんってだあれ？」
「その息子のお母さんよ」
「え゛」
まさかの本人でした。
母のコミュ力を舐めすぎていたようだ。
まさかこんなに早く情報が手に入るとは。
「じゃあ、早速連絡するわね！」
「う、うん、ありがとう、ございます」
でもその息子が轟焦凍なのかはわからない。確か轟焦凍には兄がいたはずだからだ。うろ覚えだけどね。
ルンルンと携帯でメールを打つ母を尻目に上手くいく事を祈る。
だってこれだけが私の出来ることなんだもの。
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作者名：秋桜 時雨 | 作成日時：2019年2月6日 16時
