EXO ～ NOTE ～ (ページ8)

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Aって女をひとまず部屋に送る

着替えさせて、あの財閥の息子が来るパーティー会場まで連れて行く

ルームミラーで女を見ると、真っ赤に泣きはらした目をして窓の外を眺めてる

化粧は落ち顔は青ざめ、とてもじゃないが見られるもんじゃない

ほんとにこの女にできるのか？

突きつけられた期限は1ヶ月…

できなかったところでこいつらが死ぬだけ

俺にはどうってことない話

あんな奴を選んだお前が悪い

1時間で用意しろと言ったのに、時間を過ぎても降りてこない

しびれを切らして車から降りようとしたその時

後部座席のドアが開いた

こいつ…本当に同じ女か？

ルームミラーを通して目が合っただけで動けなくなる

さっき着ていたような胸元のカットもない、シンプルな黒のドレス

サイドにひとまとめにした髪

イヤリングが揺れるたびにドキッとする

人並み以上の美しさだが際立っているわけじゃない

なのになぜかひきつけられる

カラダの奥がしびれる感覚に息をのむ

化粧じゃない…覚悟を決めるとこうまで違うもんなのか？

「ごめんなさい、遅くなった」

「…」

その声に現実に引き戻される

あわてていることを悟られないようにミラー越しに睨む

「そんな顔しなくても…逃げないわよ」

自嘲するような笑みを浮かべた。