EXO ～ NOTE ～ (ページ24)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:30,984 hit

#9 ページ24

「何冗談言ってんの…そんなはず…」

「…」

マサ兄の顔見れば分かる…冗談なんかじゃないって

「俺…聞いてない…」

俺の耳で引っ越ししたって言葉が繰り返し流れてる

背中の傷がチリッと疼いて、現実に戻される

気持ちとは別に、カラダのどこかにいつも冷静な俺がいる

こうなること、わかってたみたいに

…俺が、求めすぎたから…

「前にAは妹みたいなもん…って言ったろ？覚えてるか？」

「…覚えてる…」

「俺たちは同じ事故でそれぞれの親を亡くしたんだ」

「…Aのことは…昔から知ってたの？」

「親同士が仲良かったからな」

マサ兄はこの間よりも、悲しくて優しい顔をする

「Aは大切なものはなくなると思ってる。だから大切なものは持たない」

「何…それ…」

「Aは感情に蓋をすることで成り立ってるんだ」

「…お前ら、そういうところ似てるだろ」

そう言って一瞬、悲しく笑った

「ルハンをここに連れてきた時から…なんとなく予想はしてた」

「…」

「誰かを連れて来るなんて、初めてだったから…もしかしたらこうなるかもって」

「…そんな…」

せっかく想いが通じたと思ったのに

俺のすべてを賭けてもいいと思ったのに

いつの間にか、大事なものをなくしても平気な俺はいなくなってて

カウンターをバンバン叩きながら、思いっきり泣いた