【第五×原神】夜の番人君がどうやら，バグで別の世界に行ったそうです (ページ7)

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バグ7 ページ7

「すごいですっ！服を着せるだけで髪型まで変わるなんて、…でも顔が変わっておりませんね？」

なんで…なんで…よりによってこの【日を蝕む者】の衣装なんだろう？
しかも，あの箱の印章…荘園の。

『これは，いつ届いたの？』

「今日です！確か，稲妻の宅配業者の方が届けてくれましたよ？…まぁ夜中の3時にですけど」

よくそんな時間に届けようと思ったよね…。

『まぁ，着替えがあるだけいいかな。』

僕のあの荘園に置いて行った所持品なんてそもそも初めからないし，別に戻らなくっても…いいのか？

「そう言えば、手紙も入っていましたよ？」

そう言って少女は僕に差し出して来たから仕方なく中の内容を読むことにした。

〝突然の不具合によりお客様方に迷惑をお掛けして申し訳ありません。

どうやら荘園の不具合はまだ続く為先に皆様方のお着替えをお届けさせていただいております。

現在皆様は狩られる側と狩る側ではありませんのでどうか，お互いを傷つき合わないでください。
荘園の復旧までゲームは中止となります。

この度は大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

ナイチンゲール〟

『…』

ふーん。不具合なんだ。なぁんだ。じゃ復旧するのを待てばいいじゃん。

「…イタカさん？」

『ぁあ、なんでもないよ。で？僕を誰かにあわせたいんだよね？』

「そうです！他の執行官方に会わせたくって。この時間なら皆様お揃いではないけど，神殿に集まっていると思いますから，行きましょ！」

どんだけいるんだ？執行官って…
着替えながら少女から説明を受けた僕はなんとなくこの世界というより、国の仕組みが少しわかってきた。
どうやら、ここはスネージナヤという国で七国の中の一つ。氷の女皇つまり，氷の神を崇拝する国。
そしてその国には、ファデュイという大きな組織があり，しかも組織には11人の幹部つまり、執行官がいる。
その執行官達の順位は自身の武力で決まる。
なんなら、この少女は第三位で僕を拾った博士は第二位。
そりゃ僕が武器を首元に構えても表情一つ崩さなかったわけだね。

『…僕は一体どうなるんだろ…』

ボソッと囁いた僕の声は窓の外の強い吹雪によって掻き消されてしまった。

僕が母さんと初めて会ったのも、母さんをあの怪物に奪われたのもこんな吹雪の夜だった…。

『ははっ…僕は本当になんでこんなことしてるんだか、』

「イタカさん？」

『なんでもないよ。ここなの？』

「はいっ！」

そう言って少女は大きな扉に手をかけた