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ページ21

A_side.




「島村Aは居るか。」


其れは何気無い或る日に、突拍子も無く起こった。


『Aは私。貴方は?』

「……軍警の岩野だ。島村A。御前の異能力を使う時がやって来たぞ。」


男は私を見て一瞬顔を顰めたが直ぐに口を開き本題を云った。「直ぐに用意をして軍警本部迄来い。精々役に立つんだな。」そう言い残し男が去っていった。

その言い草にぽかん、として仕舞ったがふつふつと怒りが湧き上がって来る。

私は今迄泣く暇も無い位に薬を投入されて来たし、異能力だって完全では無いが使いこなせて来たのだ。失敗なんてしない。

其れに異能の制御、使い方。教えてくれたのは逍遥だ。逍遥迄莫迦にされた気がして腹が立つ。


『………気に食わない。』


刀を手に取り逍遥が居るであろう部屋に向かった。

*→←第六章_気に食わない男



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作者名:緋山 | 作成日時:2019年8月5日 15時

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