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No_side.
消毒液の匂いが漂う中、ピ、ピ…と電子音が窓も埃も、何も無い鉄格子の部屋に響く。
何か、胡桃色の物が動き、ウィーン…と写真機のレンズが其れと捉える。
其れは不揃いの瞳を持つ少女で、動いた胡桃色は鉄の扉からの隙間風で靡いた胡桃色の髪であった。
少女は瞬き一つせず床に蹲り、微動だにしない。
死んだように動かない少女は紺の着物に白の羽織を纏っており、幾つかの線が繋がれて居る。
鉄の扉の隙間から風が又吹き、少女は一つ瞬きをし起き上がり、扉の前で正座をする。
すると扉の奥からカンカンと2つ分の足音が聞こえてくる。
足音が扉の前で止み、ガシャン、と扉が開く音が響き扉が開かれる。
「お早う、薬の時間だ。」
少女は光の無い濁った瞳で、薬や注射器を持った男を見てコクリと頷いた。
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作者名:緋山 | 作成日時:2019年8月5日 15時