ヒャッホウ！ ページ7
その日の夜、ヒロトは父、星二郎の執務室に呼び出された。
星「来たね、ヒロト。」
ヒ「なんだよ…疲れてるから手短に頼む。」
星「中等部の校内新聞、拝見させてもらったよ。あの相手は月奈さんだろう。」
ヒ「ｯﾁ……だったらなんだよ。」
親父は立ち上がって、こちらに歩み寄ってきた。まさか、ぶたれるのだろうか…俺はキュッと目を瞑る。
すると、親父はポン…と俺の方に手を置いた。
星「よくやってくれた、ヒロト！！」
ヒ「へ？」
親父は「ヒャッホウ！」と言わんばかりに飛び跳ねた。勢い余って飛んだせいか、そのあとは咳き込んでしまったけど。
ヒ「おい、大丈夫かよ親父。」
星「ゲホッ…はぁ……思えばもう20年ほど前の話だ。」
ヒ「あ？」
星「私と、皇ちゃんは5歳からの幼馴染でお互いの将来を語り合った仲だった…」
皇ちゃん？って、いきなり思い出話が始まった…。
俺はとりあえず親父を椅子に座らせる。
星「私は吉良のビジネスを、皇ちゃんは一之宮を納める46代目の当主になる将来…そしてそれぞれの子供が男の子と女の子だったら…結婚させ、そして私たちの孫を眺めることが夢だった……！」
それぞれの子供…結婚…子……
ヒ「そ、それで男の子は俺、女の子はアイツ……ちょうど年齢も近い俺たちで見合いをさせたってわけか」
たしかに、月奈は綺麗だし、いい子だ…
" 『おやつに食べてください。』"
小さく笑う月奈の素顔を思い出す。
ヒ「たしかにあいつは良いやつだけど、互いの気持ちはどうなんだよ。」
星「…あ、さっき皇ちゃんから連絡が来てね、ヒロト…今週の土曜日、お嬢さんと出かけてきなさい。」
ヒ「は？」
はあぁぁぁぁぁ〜〜〜〜！！！！！？？？？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シャーベット | 作成日時：2021年6月21日 2時
