嫌な予感 ページ43
その頃、俺はシャワーを浴びていた。
先程の失態もあり、なるべくオジョーサマと顔を合わせることを拒んでいた。
ヒ「……散々な1日だったぜ」
いきなり大男たちに拉致されるわ、虫けら扱いされるわ、オジョーサマのブラちら発見するわ……って、ブラちらってなんだよ俺！！！！//////
できれば今日が快晴ではなく、大雨だったらよかったのに…こんな熱い40℃のシャワーじゃなく冷たい雨だったら……頭の中も綺麗さっぱり忘れるんじゃねぇのかな。
ヒ「ちょっとだけ……」
キィッ！！…と蛇口を回すと勢いよく冷水のシャワーが流れた。俺はその衝撃に驚き、尻餅をついた。
ヒ「………やっぱ雨がいいわ」
どうやら冷水シャワーは効果なし…か。俺は風邪を拗らせないよう、またお湯を被ってシャワー下を後にする。
タオルで頭を拭いていると、食べ物のいい匂いが風に乗って漂ってきた。
ヒ「お…いい匂いがすんな」
もしやオジョーサマの手料理……俺は急いで部屋着に着替え、下に降りる。今日は悪い意味で忙しかったので、早く夕飯を食べたい。いや、むしろオジョーサマの手料理だからこそだ。
俺は3階から2階への階段を降りる。
2階のバカ広いキッチンに足を踏み入れた。
ヒ「あ？」
誰もいねぇ…キッチンにはオジョーサマの姿が見当たらなかった。目に写ったのは野菜を煮た後の鍋、刻まれた状態の鶏肉…あとその他諸々……。
俺は部屋中を歩き回ったが、アイツの姿はどこにも見当たらねぇ…
ヒ「おーい！一之宮！！」
ついに声を張り上げた、それでも何も返しが来ない。すると俺はテラスで何かを見つけた…
ヒ「これ……エンブレム？」
菊の花に日本刀を絡ませたエンブレム…一之宮の家紋だった……。ふと思いついたのは、さっきまで一緒にいたあの眼鏡の男、東雲だ。
ヒ「……ま、まさかな」
嫌な予感がした。俺は部屋着のまま家を飛び出した。全力で走った…。行き場なんて分からねぇのに
ヒ「…ﾊｧﾊｧ………一之宮っ！」
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作者名：シャーベット | 作成日時：2021年6月21日 2時
