教えてくれ ページ35
後日、永世学園サッカーグラウンド…
瞳「今日の練習メニューはこれをこなすこと。タツヤ、あとは任せるわ。」
基「はい！」
蝉が鳴く中、練習前のアップに励んでいる永世学園サッカー部。タツヤがミニゲームのフォーメーションを確認していると、
緑「なぁ、タツヤ。」
基「ん？」
緑「なんか瞳子監督からお客さんって言われて連れてきたんだけど…この子知り合いだったりするか？」
タツヤが緑川の後ろに立っているうさ耳のような髪型の女の子を見る。
基「きみは…」
「あ、はじめましてー！私、桜華女学院中等部2年！常盤雪音といいまっす！！」
基「はぁ…」
タツヤに自己紹介を終えた少女は、グラウンドに足を踏み入れ、キョロキョロとあたりを見る。
「あ！」
少女が隅っこでリフティングをするヒロトを見つける。
「許嫁くん！！発けーーん！！！！」
ヒ「！？！？」
素っ頓狂な顔をするヒロトを無視し、少女はニヤッと笑い、細い指を鳴らす。すると、突然黒いスーツを着た男たちが、ヒロトを取り囲み、
ヒ「はぁ！？」
ガッと、ヒロトを羽交い締めにしたのだ。驚いたメンバーは
基「ヒロト！？」
南「おいおい！どうなってんだ！？」
涼「貴様、馬鹿息子！また何かしでかしたか！？」
ヒ「お、俺は何もしてねぇ！…ﾝｸﾞｯｯ！？」
ヒロトは1人の大男に口元を塞がれる。すると少女は眼光を鋭くしてヒロトの前に立つ。
「悪いね〜、君にはちょ〜っときてもらいたいとこがあるのよ。……じゃ、黒服さんたちお願いねー。」
男達「「「はっ！！雪音お嬢様！！！！」」」
ヒ「ちょ！はなせ！！はなせぇぇぇ！！！」
暴れながらも男達に連れて行かれたヒロト。永世学園サッカー部はあまりの急な出来事にアングリと口を開いて立ったままだった。
その中で、タツヤは少女の制服を見て何かに気づく。
基「ま、まってくれ！君はあの子の知り合いなのか！？」
「ん？」
少女は前に進めた足を止めてタツヤの方に振り返る。
基「やっぱりそうなんだな。教えてくれ、ヒロトを連れてどこに行くのかを。あの子とヒロトがどういう関係なのかを」
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作者名：シャーベット | 作成日時：2021年6月21日 2時
