俺/私たちは許嫁同士…のはずだよね？ (ページ32)

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雪音のお話ページ32

桜華女学院中等部。由緒ある名家の子女が通うこの学校では、今はどの部活動停止して、夏休み前の期末試験に向けて勉学に励んでいる。

　私と月奈もその1人だ。ある日、私たちは図書室で勉強をしていた頃……とある会話を聞いてしまったのです。

女1「ねぇねぇ！この前サッカーの大きな試合を見に行ってきたんだけど、永世学園！！永世学園の吉良ヒロト様がね～！！」

女2「えぇ～！私はタツヤ様の方がいいと思うんだけど～～！！」

　その黄色い声にイライラしながらも私、雪音ちゃんはトントンとシャーペンを鳴らした。
　月奈は気にせず、黙々と教科書を読んでいる。

雪「あいっつら五月蝿いね。人がせっかく勉強頑張ってんのに。」

それにあの人いま"吉良ヒロト"って言ってたよね。

女1「それで～ヒロト様に応援したらね、ヒロト様こっちに向かって笑いかけてきたの～！！」

女2「えぇっ！それってエイコに気があるってことじゃない！！」

女3「そしたら、あの鉄面女の一之宮月奈も飽きられてたんじゃないの～？」

　好き勝手に言葉を発している女子生徒たち、私は思わず苦笑いが出てしまった。しかも何気に月奈の悪口言ってるし……すると、相席に座っていた月奈が立ち上がった。

雪「あ、ちょい月奈…」

月奈はスタスタと歩いて気づけば女生徒たちの前に立っていた…いや、立ちはだかっていた。

雪「あちゃー、あいつら終わったね。」

うん、終わった…だって月奈の顔見てよ……ありゃヤクザだよ、ヤクザ…ヤクザの女親分だよ。

女1「でねー！ヒロト様がねー！！！」

女2「ちょ、エイコ！！前、前…」

女1「え！？…って……げ、一之宮！！」

　月奈は般若のような面影を浮かべていました。