俺/私たちは許嫁同士…のはずだよね？ (ページ23)

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馬鹿野郎ページ23

俺はハッと、口元に手を当てる。

『…それ………どういう…』

ヒ「いや、……俺たちって元々は親同士が決めた許嫁同士じゃねぇか。」

聞いちゃいないだろう、オジョーサマは肩を震わせて俯いていた。俺はとにかく言葉を考えて口に出す。

ヒ「…だから、その……最初のデートだって…ほら、元々親たちが決めたものだったし…少々一緒にいすぎちまったなー…なんて……」

おい、やめろよ…

ヒ「……まぁ、互いに意見が合うってだけで…別にそれを友達っていうわけではないっつうか……」

『……………』

ヒ「だから……そn((『もう、いい…』は？」

オジョーサマは俯いたまま、震えて言葉を放った。

『もう、いいです。吉良さんの気持ち、よく分かりましたから……。』

はぁ、と一息吐いて俺に笑いかける彼女、その顔は
歪んでいるような気もした。そして、オジョーサマは鞄をもって歩き出した。

『勝手な妄想を並べてしまってごめんなさい…』

そして戸の前に立って、

『今までありがとう、吉良さん。少なくとも私は、あなたのことを友人として…いえ、なんでもないです。』

柔らかく、儚く微笑んで…彼女は部屋を後にした。

　俺は立ち尽くすことしか出来なかった。最後に彼女が飲んだティーカップの紅茶の残りを見つめる。

　そして、今度こそ…今度こそ残りの前身の力が抜けて、ベッドに倒れてしまった。

　
ヒ「……は、ははっ…はははっ！」

腕で視界を押さえた。両目を押しつぶすかの如く、強く。

ヒ「俺って…本当……馬鹿野郎だな。」

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瞳「ふぅ、今日はこれで終わりだといいんだけど。」

車を入り口の前に泊める。まだ残りの仕事を片付ける前に書類を取りに戻ってきたのだ。私が車を降りると、1人の女の子が出てきた。

瞳「あら？」

女の子と目が合う。その子はペコっと頭を下げて、その場を走っていった。

瞳「あっちょっと！…」

引き止めようとしたけど、心が「ダメだ」と私に言いかけてるようで……

　それにしてもなぜ彼女は目元を赤くして出てきたのか、私の心に引っかかった。