俺/私たちは許嫁同士…のはずだよね？ (ページ21)

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聞きたいことページ21

基「ヒロト…」

　タツヤが小さく名前を呼ぶと、ヒロトはタツヤにチラッと視線を向け、少女の方に歩み寄る。

『き、吉良さん？』

ヒ「ホラいくぞ、俺に用事があってきたんだろ？」

少女の肩に手を置くヒロト。

ヒ「悪い、タツヤ…コイツの相手してくれてサンキュな。」

少女の手を引き校舎を出るヒロト。その2人の後ろ姿をタツヤは見つめていた。

　ズキンズキン……

　なんであの2人が、ヒロトはあの子とどういった関係なんだ？この胸の苦しみはなんなんだ？

1人取り残されたような気がして、タツヤは虚しさを感じた…。

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『吉良さんっ…ちょっ痛い…！』

ヒ「………」

なんでコイツはタツヤと一緒にいたんだ？タツヤはなんでコイツの元に走って行ったんだ？

『……ぃ痛いってば！！』

　バッッッ！！とオジョーサマは手を振り払った。

ヒ「…わりぃ」

『……………』

とりあえず暑いので彼女を連れて家に帰った。

「ヒロト様、おかえりなさいませ。まぁ、一之宮のお嬢様もご一緒なんですね。」

ヒ「あぁ、…とりあえずなにか冷たい飲み物でも用意してくれねー？」

　メイドは「かしこまりました」と下がる。
俺はオジョーサマを連れて階段を登り、自室の扉を開ける。

ヒ「とりあえず入れよ。」

『あ、えぇ、失礼します。』

オジョーサマはソファに腰をかける。俺も荷物を置いて散らかっていた机上の物を引き出しに仕舞う。

『広い部屋ね、』

ヒ「居心地悪いか？」

『ううん、自然が溢れてて…開放感もあっていいと思う。』

ヒ「そうかい。」

　大きな窓の前に立って風景を眺めるオジョーサマの隣に立つ俺。

ヒ「で、今日は一体なんの御用で？」