俺/私たちは許嫁同士…のはずだよね？ (ページ20)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:16,297 hit

覚えてくれてたページ20

後日、

『ど、どうしよう…押しかけるのはダメだってわかってるのに…来てしまった。』

夏休み直前最後の登校日ということで、永世学園も学校が正午に終わると聞いた月奈。

　彼女は今まさに永世学園の門の前に立っていた。

『でも、吉良さんが私のことどう思っているのか知りたいし…』

・

・

・

・

中等部校舎、2年A組の窓側の席。基山タツヤは最後のHRが終わったので、帰り支度をしていた。今日は職員会議のため部活は休みである。

　なにやら教室が騒がしいなと感じたタツヤ。後ろの席の緑川がタツヤの肩を叩いて、

緑「なぁ、タツヤ。他校の制服の子が校門のところにいるんだけど…」

基「え？」

窓を覗いて校門の方角に目を向ける。
するといつか自分がぶつかった白のセーラー服の女子生徒だった。

基「あの子は…このあいだの」

緑「え？知り合いなの？」

　タツヤはハッとしてスクールバックをとり、ダッシュで教室をでた。

緑「あっ、おいタツヤ！！！」

タツヤは階段を降り、ローファーを履いて女子生徒の方に走る。
　女子生徒はタツヤに気づいたのか…

『…あら、あなたは』

基「や、やぁ。君、この間の子だよね？」

女子生徒は首を傾げたが、思い出したかのように目を開き、

『あぁ！あのときの…』

基「覚えててくれたんだね。」

タツヤが息を整えると安心したかのように笑いかける女子生徒、優しい表情がタツヤの心を擽る。

　すると女子生徒は、もじもじしながら…

『えぇ、あ…あの、吉良ヒロトさんっていらっしゃいますか？』

基「えっ…ヒロト……ですか？」

思いもやらない人物の言葉を聞いてタツヤは驚きの表情で女子生徒を見る。

『はい…いきなりごめんなさい。あ、私はヒロトさんの友達なんですけど……彼とどうしても話したいことがあるので。こちらに伺ったんです。』

　艶のある黒髪を耳にかける少女。滴る汗がまた彼女の色白の肌を惹き立てる。

　タツヤは胸の内の謎のザワツキを感じながらも、

基「ヒロトはm((「タツヤ…」ヒロト！？」

タツヤは声の主の方を向く。そこには夏服のボタンを少し開けて立っているヒロトの姿があった。

　