俺/私たちは許嫁同士…のはずだよね？ (ページ16)

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おうちデート(仮) ページ16

そして時間は流れ、日曜日。

　一之宮邸に訪れた吉良ヒロトはインターホンを押す。するとギィッと門が開かれ、待っていたのは厳つい大男だった。

「…………」

ヒ「あ、あの。月奈さん、いらっしゃいますかね。」

震える声でヒロトは質問すると、大男はいきなりフニャリと笑い、無言で中に案内する。あれ、前はこんな男いたっけ。

すると、玄関までトトトと走ってきたのは月奈だった。

『あっ、吉良さん！いらっしゃい！』

月奈は大男を見ると、

『ありがとう、彼は私のお客様だからお前はもうさがってなさい。』

「………((ｺｸｯ」

月奈に従い、大男は別の方向に歩いて行った。

『吉良さん、私の部屋はこっちです。』

ヒ「お、おう。」

縁側を歩くと、さっきの男みたいな厳つい男たちが所々見受けられる。そして3階に上がりついたところに月奈の部屋があった。

部屋は鮮やかな桃色と白で彩られたお嬢様って感じの部屋だった。

ヒ「お、これ…」

俺はポツンと勉強机に置いてあるフィギュアに目を向けた。先日ゲーセンで取ったものだった。

『あっ…その節はありがとうございました。このお人形、すごく気に入っているんです。』

目をうっとりさせてフィギュアを見る月奈。
そして俺はダイニングテーブルの前に座り、月奈はお茶菓子を取ってくるとまたいなくなってしまった。

ヒ「にしても、この部屋も広いな。」

俺の部屋に劣るが、木材の心地の良い香りが漂って癒された。きっとこの家の風呂は檜風呂だな…

『あの、あまりジロジロ見られたら恥ずかしいというか…』

ヒ「ん？あー…わり。あ、なんか見られたくないものでも隠してるわけ？」

俺はニヤニヤしながら少しオジョーサマを揶揄う。

『吉良さん？それセクハラって言うんですよ？＾＾』

ヒ「…ジョーダンデス」

ほんとにこいつの笑顔って怖い。