その青年、任せる ページ33
「あ〜〜〜こりゃもーダメだな。酷いじゃないか。やっと僕の理想を理解してくれるパトロンに出会えたっての」
「理想?」
「そう。僕は昔から完璧な義肢を求めて開発し続けてきた。そして研究の末に最上の素材を造り出すことに成功したんだ!木よりも軽くて丈夫。そして陶器特有の無機質な美しさ…今まで誰も造れなかったものを僕は造り出した。ただ素材を集めるのが難しいシロモノでね」
「確かに貴方お手製の義肢は、とろける様な手触りでしたね。まるでボーンチャイナの食器の様な…」
「わかるかいブラック。この美しさが!!だけど実におしい!
「そう言えば仰られていましたね。特別な素材を使われていると」
「そうそう、ココでしか手に入らないんだ」
「まさ、か」
まさか、子供の骨を……
「どこかに捨てる手間もいらなくなるし。最高のリサイクルだと思わないか?」
「まさか。まさか…っ。ええっ。っえ”。お…俺らはなんてモン…をッ」
「ほらまたそーやって拒絶する。真実を知らなきゃ皆素晴らしいって誉めそやすクセに。でも男爵は違った。美を求めるモチベーションが高いし、材料と費用を湯水のごとく提供してくれた。最高のパトロンだったよ。最高の作品を作るのに最高の材料が必要なのは当たり前だと思わないか?犠牲ナシど成功などありえないってのに世間のバカ共と来たら。牛の骨は良くて人間の骨はダメ?」
__「今日もコイツのおかげで金ががっぽがっぽだ」
「う…」
過去のことがフラッシュバックして倒れそうになったところをレオンに支えられる。
「誰が決めたんだい、そんなこと!?」
先生がナイフを真っ直ぐと子供に振り下ろす。
止められない自分が憎い
「…くそ……ッ」
シエルがブラックに命令をしているのが見える。
ブラックが先生を殺している間に、俺はジョーカーを背負ったレオンと共に屋敷を出た。
ジョーカーは、今までしてきたことを悔いてそのままそこで死のうとしていたから、気絶させ無理やり連れてきた。
このあと、シエルがどうするかは知らないが、
「あとは任せたぞ、シエル」
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
あい、という訳で(どういう訳で?)ジョーカーは死にません!()
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作者名:のあっち | 作成日時:2017年12月19日 23時