その少年、目覚める ページ3
「………っ！」
＿＿＿ゴンッ
目が覚め勢いよく体を起こすと共に鳴ったそんな鈍い音と同時に走るおでこの痛み。
「……いった…」
一体何に当たって……
「え、人…？」
そこには僕よりは年下の女の子(？)が頭を押さえて蹲っていた。
「あの…大丈夫ですか……」
「うぅ……」
「お。起きたか」
後ろから声をかけられそっちを見ると、そこにはパンを持った男の人。
「えっと…僕……？」
「お前、道端で倒れてたんだ。だから連れてきた」
助けられた……ってことか？
「ありがとうございます」
「……まあ、俺らには家も無いしお金も無いから大したもてなしも出来ないけど…」
「え、俺ら…？」
「ああ。この辺で訳アリの奴らが生活してるんだ。例えば、俺は……右腕がない。………って、お前何蹲ってんだ」
あ、その子の存在すっかり忘れてた……
「多分、僕が起き上がった時に当たってしまったんかと…」
「あぁ、なるほど。おーい、大丈夫か？」
「ごめんなさい…大丈夫ですか？」
「……大丈夫…」
大丈夫じゃないような気もするけど……僕、石頭ってよく言われるし。
「……で、お前はなんで倒れてたんだ？見たところ、裕福そうな育ちだけど…」
「………僕の家燃えたんです。そこから逃げてきて…その時に右腕は燃えて使い物にならないから切り落としたんです」
赤の他人の僕の話を真剣に聞いてくれる彼はいい人なのかもしれない。
その後、さっき彼の言っていた人達が戻ってきて紹介をされた。家も焼けているし帰る場所もない僕は彼らと共に生活をすることになった。
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サーカス団の人達の本名わからない事件()
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作者名：のあっち | 作成日時：2017年12月19日 23時
