【黒執事】失われしもの (ページ1)

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その少年、走るページ1

＿＿＿周りを見ると、そこは炎の海だった。
この状況を理解するのにそう時間はかからなかった。

どういうことだ……？なぜ家が燃えている？父上と母上は！？＿＿は！？

辺りを見回すもお目当ての人達は誰一人として見つからない。

ぼやける視界の端に外へと通じるドアが見える。そのドアに向かって、僕はただひたすらに走った。右腕に炎が当たり燃えてることも気にせず、ただただ必死だった。

ごめんなさい、父上…母上……親すらも助けられないこんな親不孝な子供で……
ごめんな、＿＿…お前を助けに行けなくて……

家を出ても尚、僕は走り続けた。行く先なんか無いけど、ただひたすらに。
右腕に燃え移っていた炎は走っていた時に風によって消えていた。この右腕……もう使い物にならないな、これ。

立ち止まって常に懐に忍ばせてあるナイフを取り出す。

＿＿＿ザシュッ

「ぐ………っ」

え？何をしたのかって？右腕を切り落としたんだよ。どうせ使い物にならないし…邪魔なだけだしな。ポケットに入ってたタオルで止血する。そういうのは多少心得てて良かった。

血が大体止まった後で僕は再び走り始めた。

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夢主くん、大人っぽいけどこれでも14歳です()