憑依少女Ⅱ (ページ32)

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微笑みページ32

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澤部さんが平手にセンターになった気持ちを聞いた時、平手が微笑んでるのをモニターで見て不安になった。

何か思い込みすぎてるんじゃないかって、すぐにそう思ってしまった。

スタジオを後にして、喉が渇いた為皆と別れて自動販売機まで向かうと、急に後ろから腕を掴まれた。

驚いて足を止めて振り向くと、俯きながら私の腕を掴む平手が立っていた。

「 ·····平手？」

平「 ······· 」

「どうした、？」

平「 ········ 」

俯いたまま何も話さない平手は、私の腕を掴む手に一瞬だけ力を入れてから、私に抱きついた。

すぐに平手の背中に手を回して、もう片方の手で平手の頭を撫でる。

平「 ·····また私······、」

「 ········ 」

3枚連続センター。

平手があの時微笑んでいたのも、あの時1人だけポツンと立っていたのも、全部センターになった重圧に押し潰されそうになったもので······。

平手の背中を軽く叩く。

今の平手は、サイマジョやせかあいの時とは違って、
耳元で啜り泣く声が聞こえてこなかった。

平「 ········ 」

「 ·········· 」

平「ファンの人達は、これを望んでるのかな」

「 ······ 」

平手はゆっくり私から体を離して目を合わせる。

少し赤くなっている目と目が合った。

平「瀬尾も1列目だもんね。·····頑張ろうね」

「っ······ 」

ゆっくり微笑む平手を見て、自分でも顔が歪んでいるのが分かった。

優しくて儚い微笑み。

今度は私から抱きつくと、平手は何も言わずに頭を撫でてくれる。

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ｰｰｰｰｰｰねぇ、平手。

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どうして、自分自身を隠すの、？

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なんで前とは違って、本当に思っている事を言わないの？

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疑問に思っている言葉を、口に出せる勇気がなかった

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