・ ページ3
・
「おーい、知念くん?」
「あ、ごめんなさい。なんでしたっけ、」
「今日どうしちゃったのさ?まあいいや。それでね、この件についてなんだけども......、」
あー、もう。
さっきのイケメンくんのせいで、上司の話は右耳から入って左耳を抜けていく。
何度も時計に目をやって、お昼休みの時間になるのをずっと待っている。
さっきコピーした資料を数枚ずつ束にして、ホッチキスでとめながら
僕は彼が迎えに来るのをそわそわしながら待っていた。
すぐ横で、お腹を鳴らす上司に苦笑しているうちに、周りの人たちがお弁当袋や財布を片手にデスクを離れ始めた。
僕もすぐに作業をやめて、財布と携帯をポケットに滑り込ませて周りを見回していた。
「お疲れ様です、」
爽やかな声と笑顔で、彼は現れた。
「ご飯行きましょ、って言っても、どうせ下のカフェとかですけどいいですか?」
なぜかものすごく申し訳なさそうにする彼に、
「いやいや、全然どこでもいいです、コンビニでもいいです、」
と、小声で言った。
「あはは、おもしろ。腹減ったし、混む前に早く行きましょ。もう、混んでるかもしれないけど......」
僕は彼と二人、エレベーターに乗った。
・
「あ、お近づきの記念に...」
しっかりした礼儀作法で名刺を差し出してくる彼。
同じ会社なのに名刺交換って何...と心の中でツッコミを入れつつ、僕はまだめったに使うことのない名刺を差し出してみた。
「知念、侑李...っていうんですね。俺、そこに書いてある通り山田です。」
「あ、はい。知念です、。山田、さんですね、」
さっき、しばらく話したから会話には慣れていたはずなのに、なぜか意識してしまって上手く喋れない。
「あれ、俺ら同学年じゃん。知念って呼んでいい?」
「い、いいですよ、」
「俺のことも山田、とか涼介、とか、適当に呼んでいいよ。あと、タメでいいし。」
「は、はい、」
「うん、でしょ?」
「う...、うん。」
「ね、名前呼んでみて?」
「へ?......りょう、すけ、」
「うわ、かわい、」
・
165人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
KIYT(プロフ) - ooota12さん» ありがとうございます!頑張って続き更新しますのでもう少しお待ちくださいー汗 (2018年12月31日 12時) (レス) id: 0c03163960 (このIDを非表示/違反報告)
ooota12(プロフ) - 高校生と先生、いいです!ドキドキしてます。続きを楽しみにしてますね。 (2018年12月30日 20時) (レス) id: a48d1d7bc4 (このIDを非表示/違反報告)
KIYT(プロフ) - ooota12さん» 嬉しいですーー(>_<)薮くんのソロは本当に大好きで...上手くかけてたかな、??まだまだ頑張ります♪ (2018年12月3日 5時) (レス) id: 6f6e981d78 (このIDを非表示/違反報告)
ooota12(プロフ) - 涙が。。薮ちゃんが歌ったこの曲で本当に泣けてきたところなんだけど切なくてとってもきゅんとくるお話でした。KITYさんの情景描写が上手すぎです。 (2018年12月3日 1時) (レス) id: a48d1d7bc4 (このIDを非表示/違反報告)
KIYT(プロフ) - いつもありがとうございます!知念ちゃんは何歳になっても可愛くいてほしいね♪ (2018年11月30日 19時) (レス) id: 6e2f3196d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:KIYT | 作成日時:2018年11月30日 5時