愛し、愛され (jump×jump

# ページ48

俺を、かばうために行ってくれた。

俺を、知らない男に取られないように
守ってくれた。

それなのに、俺は

浮気とか言って、キレて。


謝りたい。


“おい、今日も来れるか？”

“...はい、”

“ふふ、そうこなくっちゃね”


今日の朝のトーク。

約束の時間はもうすぐだ。


きっと、近くの自販機だろ...



全速力で思い当たる“自販機”を見て回る。




______見つけた。


チャラチャラした同じくらいの身長の男に
腰に手を回されて歩いていく
恋人の後姿...


「おい、そいつ離せよ！」

「あ？」

「早く、離せ。」

「やだね、あんた誰よ？」

「名乗る必要はないだろ、そいつ俺のだから。」


すると、そいつは案外さらっと
大貴を離した。

何か、耳打ちをして、
どこかへ歩いて行った。


俺は大貴を抱きしめた。

「俺の、勘違いだった。ごめんな」

「いや、ゆうとは悪くないの。迷惑かけてごめんなさい...」


また泣き出しそうな大貴の瞼に
そっとキスを落とし、

2人並んで
家に帰った。



偶然、自販機のところで出会った山田ってやつと
連絡先を交換しようと言われ
断れなかったこと。

年下の俺をちゃんと守りたかったこと。

自分の大事な彼氏を、誰かに会わせるのはいやだったこと。

つっかえつっかえ話す大貴の頭を
優しく撫でながら、


今度はベッドに押し倒す。

さっきはごめんね、次は
優しく、優しくするから______。


ほかの男に抱かれたとしても、
俺じゃないと
感じられないほど、

溺れさせてあげるよ。


fin.

照れ隠しの(yb×cn・作者から→←#

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す