# ページ45
君は、ふわふわの髪の毛の間から
俺をチラッと見るだけで
きてはくれなかった。
まあ、俺だって吸血鬼だ。
怖いに決まっている。
それに、俺らの館には灯りがないから
君は辛かっただろうな。
俺は、君に
今、俺についてこないと
一番危ないのは君だ、と
そう伝えた。
俺を、信じてほしいと。
外の明るい世界へ
連れてってやるから、と。
ものすごく怯えていたけど、君は
こちらへきてくれた。
俺が仲間に見つかるのは時間の問題だ。
透き通るような君をそっと抱き上げて
俺は走り出した。
君は、ポツリと言った。
「助けてくれて、ありがとう」
その声は、
やっぱり天使そのものだ。
「おい、薮。あいつどこやった！？」
「っ、」
言い逃れなんてできない、
わかっている。
処分なんて、
怖くもなんともない。
だって、光にまみれた世界へ
送られるだけなんだから。
今の俺は、たとえそうやって消えてしまっても
次の俺は、きっと君に出会えるような気がするから。
今度の満月の夜は
君と一緒にこっちへ降りてきてみたい。
そう、満月を君と見ることができたら
それは、さぞ綺麗なことだろう。
fin.
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KIYT(プロフ) - 秋弥さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。続編を作ることになりましたら、引き続きよろしくお願いします。 (2018年6月1日 5時) (
レス) id: 6f6e981d78 (このIDを非表示/違反報告)
秋弥(プロフ) - いつも作品を読ませていただいています。是非続編をお願いします。 (2018年5月31日 22時) (レス) id: a5dc5670ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KIYT | 作成日時：2018年5月16日 19時
