俺が君を選んで、君も俺を選んだなら。(jump×in

満月の夜は(yb×in ページ44

俺は、吸血鬼だから。

昼間と、満月の夜は
外に出られない。


でも君は。

昼間と、満月の夜しか
地上に降りられない
天使だった______。





まったく接点のない、そんな俺たちは

どこで出会ったんだろう。


俺も、君も

そもそもこの世に命を授かっていない。

君は空に住んでいて、

俺は不死身だ。



君の弱点は闇で、

俺の弱点は光だ。




君は、美しい。

だから、俺の仲間に狙われる。


俺の親友である雄也でさえも、

「薮、噂の天使知ってるか？
襲いてぇ...。
けど、天使だから血はすえねぇのか、」


とかなんとか、
自問自答を繰り返すほど。


みんなが惚れる君で、

俺は興味がないふりをしているけど

多分誰よりも
君のことが好きだ。


決して、交わることはないはずだった。


君は、ある日、

こっちの世界へ降りてきた。


そこで、悪い悪魔に騙されて
俺らに売り飛ばされてしまった。



俺の仲間たちは、本当に喜んで

誰が最初に行くか、
って、
ずっと話し合っていた。



俺は、そんなこと言ってる場合ではない。



閉じ込められた君のところへ行って、

今にも消えてしまいそうな君に

「そこから出してあげるから、こっちへおいで」

そう言った。

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