休暇中の魔王様【2】 (ページ38)

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休暇84日目ページ38

A視点

早くこいつを救護班のいる所まで、運ばなくては...！

手遅れになってしまう..

あぁ...何故だ

何故、私がこんな人間のために、ここまで動かなければいけないのだ

以前の私では、この様な事、絶対にあり得ないことだぞ

こんな面倒な事は...

ようやく、我々の救護班の姿が見えた

si「え！？ちょっ！どうしたの？！てか..え！？」

まぁ、魔界の姿をした私を見ることだけででも驚くと言うのに

血まみれのコネシマを抱えて居るのだから

物凄く混乱しているな

だが、今はその事には構ってやれんのだ

A『質問は後でいくらでも受けてやるから、今はこいつを早く何とかしろ』

コネシマを空いているベットに置き、そう言う

si「わ..わかった。....けど、もう助からないかも知れない...」

A『は？どう言うことだ？』

軍医としてあるまじき行為だ

やる前から諦めるなどと

si「第一に出血が酷すぎる。例え今から輸血を行なっても、もう...逆に今息をしていることが、“奇跡”とも言えるくらいだ」

なんだと..？

si「傷も深くてとてもじゃ無いけど、生き返るとは...もし生き返るとするのならば、それはもう“奇跡”としか言えないね」

“奇跡”...？

....あぁ、そうか“奇跡”だ...！

コレを使うと危険だから余り使いたくはないのだが

後、コレを使うとクロに怒られるから、という理由でもあるが

仕方ない...

A『奇跡が起これば此奴は、生き返るのだな？』

si「え？なんか俺が思っている奇跡とは違う様な気がするけど、まぁそうだね」

A『ならば、この私が奇跡と言うものを起こしてやろう』

si「え？」

Aがコネシマに手をかざしこう言う

A『《完全回復(ヒール)》』

すると私の手が光り輝く

si「凄い..これが魔法...」

この力は聖力だ

これを普通の人間がやるのなら何も問題が無いのだがな

私は魔族だ

魔族に1番効果が効くのは聖力の力、と言うことは

私はこの力に、殺されかけられていると言うことだ

A『グハッ！』ビシャ

si「！？、大丈夫？！」

A『はぁはぁっ..だっ大丈夫だ。気にするな。』

コネシマの傷が徐々に治っていき

そして、遂に傷は完全に塞がれた

si「凄い..完全に傷が塞がった...！」

との、同時に私倒れてしまった

バタッ

si「Aさん！」

この程度で倒れるとは、私も..まだ...まだ...だ.....な...