4-6 ページ37
ハロちゃんのお世話をお願いされたんだし、あまり物を動かしたりしなければお泊まりしていいかな?
うん、いいに決まってる!だってハロちゃんと一緒にいたいもの。
なんて思い込んで勢いで泊まり込んでしまって起きた朝、ものっっっすごく羞恥心とイケナイことをしてしまった…という気持ちでいっぱいの朝です……
慌ててベッドを綺麗に直して、お掃除して、変なところがないか部屋の隅々まで確認して、
ハロちゃんにお水とおやつをあげて、しっかりと戸締りをして家を出ました。
大学で講義を一つ受けてから、午後はポアロでバイトです。
ここから米花大学までは歩いて20分というところかな?
スマホの地図アプリで場所を確認してからテクテクと歩き始めると、暫くして横に赤い可愛らしい形のクラシックな軽自動車が停まった。
横目に可愛らしい車だなぁ、なんて思いながら通過しようとしたら、突然窓が開いて声をかけられる。
「Aさん、でしたよね?おはようございます」
『へ…?あ、沖矢昴さん…!おは、ようございます…?』
ええ!透くんに言われた矢先にいきなり出会っちゃうとか、どうしたらいいの…!
「この辺りにお住まいなんですか?私も以前この辺りに住んでいたことがありまして」
『ふぇ⁈いや…この辺りにお住まいではないです…?』
「ふふ、面白い人だな」
ある意味朝帰り、みたいな状況と、沖矢昴さんに出会ってしまったという動揺から日本語が変になってテンパってしまう。
『これから大学なので、失礼しますね』
「大学生でしたか。送っていきましょうか?」
『だ、だめです!』
「だめ?とは?」
不思議そうに小首を傾げる彼は、大きな体でこんなに小さい車になぜ乗っているのだろう?と思わせるような感じだ。
いけない。ちゃんと断らなきゃ。
『透くんに、貴方とは仲良くしちゃダメ、って言われたので…!』
あれ?なんか焦って言葉を間違えたけど、概ねあっているからいいかな?
.
151人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひより | 作成日時:2023年4月18日 17時