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「連絡先を交換しておこうか。僕の名前は《安室》で登録しておくように」
『うん。わかりました。色々ありがとうございます』
スマホに登録した連絡先が、少し気恥しいけど嬉しいような心地です。
零さんは少し真剣なお顔で私の頭に掌を置き、軽く髪を撫でました。
「1人で大丈夫か?」
『…うん。大丈夫です。今日からここは要塞になります!』
「はは、要塞って。まあ、元々しっかり防犯していたみたいだからな。何かあったら迷わず連絡して欲しい。出られない時もあるが、直ぐに折り返すようにする。何も無くても歓迎だけどな」
『メッセージとかならいいですか?』
「ああ。構わないよ」
楽しみができて、少しだけ気分が浮上してきました。
何もお構い出来ませんでしたが、零さんもあまり知らない人の所で飲食したくないだろうし…。
名残惜しいですが、今日はこれでお別れですね…。
「……そんな顔しないでくれ…」
『へ?』
「…いや、なんでもないよ。ゆっくり休むんだぞ。おやすみ、A」
『おやすみなさい』
去り際に私の頭を撫でながら少し困った様な表情で微笑んだ零さんが気がかりだけど、
色々良くしてくれた零さんのためにも、今日はしっかりと休むことにしよう。
そう心に決めたのでした。
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作者名:ひより | 作成日時:2023年4月18日 17時