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「全く…Aも梓さんも、気にしすぎじゃないか?」

『そんな事ないもん。SNSってすっごく怖いんですよ?』


私の自宅まで送り届けてもらえる事になり、かっこいいスポーツカーの助手席に乗る、という事にどきどきしながらドライブ中です。
透くんモードのときは変わらずに、《Aさん》って呼んでもらう事になりました。
炎上、ダメ、ゼッタイ。

自宅のアパート付近のコインパーキングに車を停めてもらって、歩いて向かう。
私の部屋は1Kで8畳ほど。狭いけれど自分にとっては快適空間です。


「念の為に盗聴器が無いか調べたい。心配だろう?」

『と、盗聴器⁉︎ 怖い…お願いします』


自分の家が居心地いいと思っていたのに、途端に怖い存在になった瞬間だ。
今日、あんな怖い思いをするまでは、自分がストーカー被害に遭うなんて、思ってもいなかったのに…

鍵を開けてドアを開けると、零さんを招き入れる。
自分の部屋に男の人が入った事なんて、一度もない。
とてつもなく恥ずかしいけど、そんなこと言っている場合じゃないです…よね!


「お邪魔します」


零さんが、何か機械のようなものを持って、私の部屋の中を歩いている。
盗聴器があるかもしれないということは、もしかしたら知らない間に誰かに侵入されている、という事で…
不安から思わず零さんの服の裾を掴んでしまう。


「……うん。問題ないみたいだな」

『よかったぁ…』


戸締り、徹底的に気をつけよう…。


.

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作者名:ひより | 作成日時:2023年4月18日 17時

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