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【side降谷】
「零さん、って呼んでくれるのか?」
そう問いかけると頬を染めたままの彼女が、心配そうに上目遣いで僕を見た。
『安室さん、の方が普段は間違えなくていいですよね?』
「2人きりの時だったら構わない。極秘事項を共有した仲なのに、呼び方は《安室さん》なのか?」
『??』
小首を傾げて不思議そうに僕を見つめる純粋無垢な瞳を見ると、また意地悪してしまいたい気持ちが頭をもたげてくる。
「降谷である僕は《零さん》なのに、安室は《安室さん》なのか?」
『あっ、確かに………そしたら《透くん》かなぁ?』
意外にも《透くん》呼びだった事に驚いて、今度は僕が目がテンになってしまう。
「なんでなのか聞いてもいいかい?」
『うーん……零さんはこう…キリッピシッとしてるけど、透くんはフレンドリーというか……』
「なるほど………」
きっと、彼女の中で《安室透》である自分の方が身近に感じているという事なのだろうか…
彼女の前でありのままの僕でいることができたら、またイメージも変わるのだろうか。
『だめですか…?』
「いや、構わないよ。A」
『ひぇ』
「え?」
『ダメです‼︎炎上しちゃう‼︎』
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作者名:ひより | 作成日時:2023年4月18日 17時