2BRO.と眠れない彼女*乙 ページ8
〈2BRO.と眠れない彼女〉おついち
「あれ、どうしたの？目、覚めた？」
リビングのソファでコーヒーを飲みながら、弟者から送られてきたばかりの動画の編集をしていると、
寝室から出てきた彼女に気が付いた
『んーん、眠れないの』
そう言って扉の前で佇む彼女
「何かあった？いいよ、こっちおいで？」
そう声をかけると、ほっと安心したような表情を浮かべて隣に座る
「大丈夫？具合いでも悪い？」
『違うの、あのね、今日1人でホラーゲーム見ちゃったら、怖くて眠れなくて･･･』
「なんでまた、ホラーゲームなんて見たのー、怖いの苦手でしょ？」
『だって･･･おっつんが、実況してたから･･･』
そう言ってしゅんとする彼女
「そんな可愛い理由で無理して怖いの見たの？笑」
『･･･無理はしてない、もん』
「んなこと言ったって、結果として眠れなくなってるでしょーが！笑」
そうは言うものの、怖いのを我慢してまで俺の動画を見てくれる彼女は本当に可愛くてしょうがないのだけれど
「ほら、これでも飲みな？」
『わ･･･、ココアだぁ』
「今日は寒いからね〜」
『優しいね、こんなの私のわがままなのに･･･』
「んー、そりゃあ好きな女の子のためなら何だって、ねぇ？」
『･･････････ね、ぎゅー、したい』
「急にどうしたの、」そう聞き終わる前に、彼女は俺の胸にとびついた
『なんか、大好きだなって、思って』
珍しく甘えてくる彼女に、つい愛しさが増してしまったのは言うまでもない
「1人で心細かったよね。今日はもう一緒に寝よっか？」
『んーん、編集してるとこ見てる。』
そう言ってソファの隅で足を抱えるようにして座る
しばらくすると、
『でもなんか、傍にいてくれるだけで安心するね』
そんなことを言いながら、眠気がきたのか、次第にとろんとした表情に変わっていく
「じゃあ編集は部屋でするから、一緒にベッド行こっか」
そう言って既に眠そうな彼女を寝室まで連れ出す
ベッドに入ると、俺を見上げるようにして
『大好き』
と呟くと、彼女はあっけなく眠りについた
「うちのお姫様は、ほんとにしょーがないなぁ」
幸せそうに眠る彼女の柔らかい髪を優しくとくように撫でる
「僕も大好きだよ、おやすみ。いい夢見てね」
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作者名：もっちももまる | 作成日時：2019年3月22日 22時
