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「怒ったりなんかしないよ、神楽がそれでいいって言ってるなら俺は何も言えない…ただ付き合ったからには神楽のこと好きになる努力はしてるんだよね？」
「アイツとはよく喧嘩するけど気があってると思ってる」
「そう、それを聞いて安心したよ」
『ふふっ』
「何笑ってるんでィ」
『いやぁ、神威くん大人になったなぁって。私が21の頃はまだしっかりしてなかったし』
「今でもガキでさァ」
『そ、そんな…』
「さて…あとはおふたりで。話したいこと沢山ありやすでしょ…俺は寝まさァ」
総悟が部屋に行くと
さっきまで気にせず話せていたのに
また沈黙がやってきた
少し沈黙が続いたあと
神威くんは正座をした
「…先生、俺は自分の未熟さで先生に学校を追いやる様なことをして本当にすみませんでした」
彼はそう言うと土下座をした
若干震えてるような気がする
私は彼の背中に優しく触れた
『頭を上げて…あれは私が決めたことよ。言ったでしょ、後悔はしなくていいって』
「どうして、俺を庇ったの」
声は震えていた
あぁ、あの時私の判断がわるかったのだろうか
もっと違う答えが出ていたらこの子は
こんな自分を責めなかったのに
『貴方の未来をこんなことで駄目にしたくなかったから、私はもう夢が叶った…だから後悔もしてないし神威くんを守れてよかったって思ってる……知ってる？私仕事辞めてから神威くん2回見てるのよ』
「え…」
『一回目は、卒業式。２回目は大学の入学式よ…総悟の親代わりって言うのかな見に行ってたのよ。そこで神威くんがちゃんと卒業式にいてあの言葉を守ってくれたんだって嬉しかった』
「…っせ、んせい」
『だからもう気にしないで…私のことは忘れていいの』
泣き崩れる彼に私は背中を撫でた
「忘れるなんてできないよ…初恋だったんだ」
『あら、じゃあ思い出にして？…それもおかしいか。あともう先生じゃないわよ』
「ははっ…面白いなせんせ……Aさん」
鼓動が高鳴る
おかしいな、ただ名前を呼ばれただけなのに
『面白いのが取り柄よ、あれもうこんな時間…神威くんあしたは仕事？』
これじゃあ、夜中じゃなくて朝方に近い
「休みだから大丈夫だよ、そろそろ帰るよ」
『もし良かったら泊まっていって、お酒も呑んでたみたいだし不安だから』
「…ありがとう、そうする」
『えっと、お風呂は起きてからでいいよね。これとりあえず総悟の服』
客間に布団を敷いておやすみと告げた。
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作者名：かか | 作成日時：2019年8月8日 18時
