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自宅につき、総悟が驚いた顔をしていた
「なんでィ…それ」
『えっと、転んじゃって』
「…馬鹿な嘘つくなよ、転んだ割には擦り傷ひとつもないし汚れてない…それに触っただけで拒絶されるのが何よりも証拠でしょ」
『……』
「土方の野郎ですよねィ」
『……』
言いたくない、だってそんなことする人だとは思わなかった。
「黙ってないで何かいいなせェ!」
『……居酒屋であった時先輩いつもは来るまで呑まないで居てくれてたのに今日はもう酔ってて…』
『他愛のない話して呑んでたら先輩はフラフラしてたから家まで送ったの……』
拳をぎゅっと握り唇を噛み締める
震える声でさっきのことを伝えると
総悟は私の服を掴み広げた
『み、見ないで…っ』
「さっきからチラチラ見えてたんでィ…神威の痕以外にも増えてやしたからねィ」
首だけじゃない胸元にまでその痕は増えていた
「…少し出てきまさァ」
「どこ行くアル」
「もちろん土方のところでさァ、喧嘩はしやせんから安心してくだせェ」
「私も行くネ!許せないアル!」
「ダメでさァ…お前はこいつの傍にいてくだせェ」
総悟は車の鍵を手にして出て行った
「ごめんね、また俺のせいで」
神威くんは悲しそうな顔をして謝った
『ちがう…私のせい。2人から注意されてたのに聞く耳を持たなくて結局神威くんを傷つけることをした』
「俺達は出逢わなければ良かったのかな…近づけば近づく程キミを…傷つけさせてしまうから」
違う、そんなこと聞きたくない
私、先輩にされた時は怖かった。
皮肉だよね、こんな形で神威くんへの気持ちに気づくなんて…好きだった……だなんて
『あのね…わ、わたし』
「もういいよ、こんなことになってごめん…さようなら」
『待って!…聞いてっ、わたしの…話を聞いてよっ』
私の言葉は彼に届かなかった
ドアの閉じる音だけが響き
私はただ泣き崩れ神楽ちゃんは私の背中をずっとさすっていてくれた。
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月8日 18時