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待ち合わせていた居酒屋に入ると
先輩は先に呑んでいるようだった
『すみません、少し遅れちゃいました』
「あぁ、先に呑んでたから大丈夫だ…どうだ?旅行は?」
『珍しく酔ってるみたいですね…旅行は楽しかったですよ!景色も良くて最高でした!』
「よかったじゃねぇか、話ってのはこの前言ってた教師に戻るかどうかの話だ。どうだ、あれから少し時間が空いてるがまとまったか?」
『はい、もう一度教師やってみようと前向きに考えてます』
「そりゃよかった、銀時にも伝えとく」
『あ、ありがとうございます』
不意に笑う先輩はやっぱりかっこよくて
ちょっとドキリとした。
しばらく呑んでいたのだけど
先輩は酷く酔っているみたいだ
本当に珍しい、いつも節度守ってる人なのに
今日はどうしたのだろうか?
とりあえずこのままではいけないし
先輩の家まで送ることにした。
『先輩、家に着きましたよ……っと大丈夫ですか?』
「あ、あぁ…鍵は…」
『んーと、あった!』
僭越ながら先輩のポケットを探り鍵を取ると
ドアを開け先輩をソファに座らせた
『水持ってきますから待っててください』
「悪ィな」
水を持って先輩のところに戻ると先輩はソファに横になり寝てしまっていた。
いつ見ても綺麗な顔だなぁ…
思いながら先輩に毛布を掛けた
「……ミツバ…?」
『ち、ちが……ぎゃ!』
先輩に腕を引かれバランスを崩し
先輩の上に倒れる形になった
『違いますよ!Aです!』
「ん…?あ、悪いな…見間違え……っ!」
先輩が私だと気づいて掴んでた腕を緩めたと思ったら視界がぐるりと周り先輩に押し倒された状態になった。
はい?ど、どうゆうこと…
頭の中でパニクっていると
先輩は怒っているような表情で
私の唇を奪った
『んっ…!せんぱっ…』
「なんだよ、これ」
『何って…い、いやっ…どうしてこんなっ』
乱暴に服を破った先輩に恐怖を覚え震え出す
「この痕はなんだって言ってんだ!」
『あっ…これは…神威くんが……でも先輩には…』
「ムカつく、許さねぇ」
先輩は私の首に唇を押し当てた
暴れて見るけれどビクともしなくて
こんな時に限って昼間言っていた総悟の言葉を思い出した。
…どうして?
なんで先輩が怒るの?
なんでこんなことするの?
こわい、こわいこわい!
「そんな怯えた顔すんなよ…そそるだけだ」
『やだあっ…んっ』
いつもの先輩じゃない
舌を絡められ私は咄嗟に先輩の舌を噛んだ
「っ!…いてえ」
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月8日 18時