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『どうしてこうなった…』
夕飯を済ませ温泉に入ったあと
卓球をしたのだけど見事に惨敗
あれれ、一応中学の時卓球部だったんだけどな…
「約束通り神社まで一人で行け」
『わ、わかりました!行けばいいんでしょ!』
負けたのは事実だ
文句は言えない、約束なのだから…
みんなと別れ玄関口に行くと神楽ちゃんが走ってきた。
「Aさん、行く必要ないアル。この鍵貸切風呂の鍵ネ…入って帰ってくるヨロシ、バレないネ!」
『うっ…神楽ちゃんありがとう』
「せっかく旅行にきたアル!怖い思いはさせたくないネ!」
神楽ちゃんの存在が今、神様に見える
感謝しながら貸切風呂に行くと
さっき入ったお風呂とはまた違う景色で綺麗だった
『わぁー!独り占めだああーー!!』
あれ、この言葉
昔も修学旅行で言ったな…
考えは昔も今も変わりないか
自分の言葉におかしくなりながらも
貸切風呂を堪能していた。
ふと、扉の音がした
「Aさん?」
『!?…神威くん!?』
名前を呼ばれ後ろを振り向くと
神威くんが驚いた顔をしていた
なぜ神威くんが!?
一瞬思考回路が止まり見つめ合うこと数秒
もちろん温泉だから服など着てなくて
貸切風呂だから隠してもいなかった
慌てて顔を逸らした
『ご、ごめん…』
「あ、誰もいないと思ったから…」
『…うん、わ、わかってるよ…』
ど、どうすればいい?
非常に気まずいんですが?
真剣に考えてる私を他所に神威くんは体を洗い始めてる様子だった。
『ちょっ、神威くん!?』
「なに?」
『その、私いるんですけど…』
「知ってるよ、戻って服着るの面倒臭いし…嫌ならAさんが出ればいいんじゃない?」
『た、タオルないから出るにも出られないの!』
「じゃあ、俺が出るまで我慢するしかないね」
そう言うと彼はお風呂に入った
事もあろうに私のすぐ隣に座るので
私は空かさず距離を取った
「そんなあからさま避けなくたっていいのに…どうしてここにいるの?」
はっ!そうだった!
私は一応神社に行ってるってことになってるんだった!
『…神楽ちゃんに神社行ってるフリして貸切風呂にと…不正を致しました』
「ふーん、俺たちを騙そうとしてたんだね」
『い、今から行ってきます!!』
「はぁ…今からってどうやってここから出るの?タオルもないんでしょ」
『神威くん少し目を瞑っていただけません?』
「やだね」
一瞬のことだった
神威くんに引き寄せられ抱き締められたのだ
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月8日 18時