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このクラスを受け持ってから1週間が経とうとしていた。
最初の頃は新任とあって
興味が湧く生徒達が多く質問攻めだったけど今はだいぶ落ち着いている。
…ただ1人は除いて………。
「先生ってドジだよね、どうしてなの?」
『さ、さぁ…私はドジだとは思ってないけど…』
「えっ…、授業クラスを違うところの教室に行っちゃうとか何も無いところで躓くところとか…これってドジじゃなければなんなの?教えてよ」
『………すみません、ドジです』
「だよね」
そう、神威くんは
飽きずにずっと私に構ってくるのだ。
先輩から聞くと
神威くんは入学した頃から問題児で
よく他校と喧嘩しては停学だったみたい。
そんなことが日常茶飯事だったらしい。
だから気をつけろよと、釘を刺されたはいいけど
今のところ好奇心旺盛な少年にしかみえない。
「ねぇねぇ、休みの日は何してるの?」
『うーん……特に何も。寝てるのが一番よね!…あっ!友達はちゃんといるんだからね!』
「ふーん、先生は案外引きこもりなんだね」
『ま、まぁ、そうだね…』
「じゃあ、俺と遊ぼうよ。楽しませてあげるよ」
『ごめんね、それはダメよ』
「先生だから?」
『そういうことです』
「そういうの可笑しいよね、先生と生徒はダメとか大人と未成年の付き合いはダメとか好きになったら仕方ないと思うんだけどな」
『社会には色々あるんだよ……って好き!?』
「うん、なに?気づかなかったの?こんなにアピールしてるのに鈍感なんだね」
待て待て、
しれっとこの子は言ってるけどダメだよ!?
実際好きになったら年の差なんて…って思ってしまうけど先生と生徒!!
こういう時はどうすればいいのだろうか…
先輩に聞いた方が早いのかな…
頭の中がパニック状態で
横で神威くんが何か話してるけど
全然入ってこなかった。
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作者名:かか | 作成日時:2019年8月1日 20時