夢幻泡影【特撮短編集】

救世主？⚠死ネタ【ジェラミー・ブラシエリ】 ページ5

少女は敵を倒して仲間を守り抜き、このチキューのヒーローになった、とさ。


『ジェラミーは本当物知りだね。まるで本当のお話みたい。』

『そうかそうか、気に入ってもらえたようで何よりだよ。』

＿＿いつか私も、その物語の少女のようなヒーローになれたらなぁ。

そう思うのは、決して珍しいことではないだろう。



「大丈夫。私が、守るから。」

泣きじゃくる小さな子どもを背中で隠し、異国の民を睨みつけた。

「どうして戦いなんかするの？」

「……るせえ……こうするしか、ねぇんだよ……」

護身用の剣を握りしめると、力の反動で手が痛かった。

「この子には怪我一つさせない。」

“ヒーローになる”。そう決めたから。



＿＿少女はヒーローになれなかった。


俺があのとき、真逆のことを語っていたら。
こんなことにはならなかったのだろうか。

「………全く、皮肉な話だ。」

Aと、ヒーロー。

その二つを＝で結べないだなんて。

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