夢幻泡影【特撮短編集】

ハロウィン企画SS詰め ページ14

曰く、不死身【吾妻道長】

今でも不思議に思うことがある。
彼はどんな危機になったとしても死なない。
普段ゾンビバックルを多用しているからかと聞いてみた。
「そうかもしれねぇけど……」
彼はなにやら口の中で転がした後、
「俺が、お前を守りたいって思ったからだ。」
と聞き取れないくらい小さな声で言った。
その衝撃のあまり変な声が出たが、彼は照れたのか部屋から出ていってしまった。


永遠にお眠りください。【檀黎斗】

率直に言おう。
彼ほど帰ってきてほしくない人はいない。
口説いてくるし、私のことをデータ化しようとしてくるし。
前々から準備していたのか、今日も彼からの手紙が届いた。
「A、元気にしているか？今頃私はこの世からいなくなっている頃だろう。だが案ずるな。私は不滅だ。いつか必ず君のもとに帰る。だからその時は私の隣にずっといてほしい。」
とかなんとか。
その達筆な字に少々腹がたったため手紙を破り捨てた。
＿＿もう二度と帰ってこないでよ。
私の気がおかしくなってしまうから。


Trick or Treat【五十嵐大二】

今日は特別な日だから彼を呼び出した。
「トリック・オア・トリート！お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうよ！」
そんなことだろうと思った、と笑いながらお菓子を取り出した彼。
「どうして持ってるの……？」
と聞くと、何故会うのが今日じゃなきゃいけなかったのか考えた結果だという。
「もう！悪戯してやるー！」
理不尽だけどごめん受け入れて！


Trick and Treat【カゲロウ】

トリックオアトリート。
こんなときのためにお菓子を用意しておいてよかった。
「お前……アホかよ。」
だけど、クッキーを渡すとすぐにそれをポケットに突っ込んでカゲロウは言った。
「俺が言ったのは“Trick and Treat”。まさか自分から悪戯されにくるなんてなぁ……？」
うそ、全然気づかなかった。
でももう壁に追い詰められ、手遅れな状態で。
「お望み通りめちゃくちゃにしてやるよ……なぁ、Aちゃん？」

次ページ→←依存【グローディ・ロイコディウム】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す