腐れ縁【紫】 3

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世間が大型休暇で楽しい時間を過ごしている頃、私は祝日出勤最終日。


いくら祝日とはいえ、業務を完全に止めることはできないから、休みを希望していない人は強制的に仕事になった。




家庭のある人は尽く休みを申請したから、部長はいないし、上司もほぼゼロ。

まあ、普段の業務より断然楽だし、上がり時間もかなり早いから、負担が大きいわけではないんだけどね。









でも今日は辰哉の誕生日だから、それの準備をしたい。
プレゼントは購入済み。


ブランド物が好きな辰哉に合わせて、あの高級ブランドのTシャツ。
これから夏にかけてどんどん暑くなるし、お気に入りを増やしてほしいという思いで、普段は足を踏み入れないショップに行って、対応してくれるお姉さんに緊張しながらどうにか入手した。



あとは、ゲームのソフトを気持ち程度に。












ご飯は辰哉のご要望でおうちごはん。


















ちなみに彼は、"誕生日周辺まで仕事したくなーい笑"という理由でGWはお休み。







それでも、私が家を出るときは眠たい目をこすりながら玄関で来て、"Aいってらっしゃい。きをつけてね"とバブ澤でお見送りしてくれる。











お昼すぎに、例のプロジェクトの件で渡辺と打ち合わせをしていた。


昨年度から始まったこの企画もいよいよ大詰めで、あとは各チームの報告を待つだけだった。



渡「そういえば、今日ふっか誕生日だよな？」


貴「うん、そうだよ」


渡「え、お祝いとかしないの？」


貴「するよ、今日の夜」


渡「え、なのに仕事してんの？準備とかは？大丈夫なの？」


貴「まあ、仕事終わったらダッシュでケーキ取りに行って、スーパー寄って、ご飯作って、ちょっと飾り付けて…みたいな感じだね笑」


渡「え、それやばくね？A今日この仕事以外なんかあんの？」


貴「いや、今日中に終わらせたいのはこれだけかな」


渡「じゃあ、残り俺がやっておくからA早く上がんな」


貴「え、いやいいよいいよ！申し訳ないし」


渡「いいって、じゃあ楓の誕生日の時代わって笑」


貴「…渡辺ぇ！私初めて渡辺がイケメンに見えた！」


渡「初めてってなんだよ！笑」


貴「あ、ごめん笑。ありがとう！楓の誕生日のときは今日の2倍代わる！」


渡「おう笑」

















渡辺の優しさに感謝して、私は会社を後にした。

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