7. No side ページ7
彼らが待ち望んだ金曜日が来た。
阿「全員時計が合っているか確認して。康二は引き上げ装置持った？舘さんはカバンね」
向「ちゃんと持っとるよ！」
舘「大丈夫」
深「それぞれインカム機能してるか確認して。ちゃんと俺の声聞こえてる？」
岩「大丈夫、聞こえてる」
ラ「やっぱ、ワクワクするねぇ！」
目「あんま調子乗ってヘマすんなよ」
ラ「わかってるよ！僕そんなに子どもじゃないから！もう19だぞ！」
渡「まだ学生の分際で何言ってんだ笑」
佐「おい、ラウールさんがご乱心だぞ！笑」
深「はい、ほらもう行くよー！」
アジトを後にし、それぞれが持ち場につく。
クラブの中には佐久間と深澤。
インカムを通してやり取りがされる。
深「佐久間、聞こえる？とにかくお前は西田と周りの視線を集めろ。」
佐「にゃす。」
他のメンバーにもクラブの賑わいがイヤホンを通して伝わっているようだ。
渡「うーわ、うるさ。俺こんなとこいたら次の日体調悪くなるわ。」
人がごった返し、少しでも目を離すとどこに誰がいるのか分からなくなってしまう。
深澤はカウンターで酒を飲みながら、西田に近づく瞬間を伺っていた。
佐久間がキレのあるダンスを披露し始めた。全員の視線が佐久間に集まり始める。
そろそろだろうと、席を立とうとした時横に女が現れた。
「ねぇお兄さんかっこいい〜！一緒に踊ろうよぉ」
胸元ギリギリまで開いたトップスを着て、深澤を誘ってくる。
彼は今それどころではない。しかし、目の前の誘惑に抗いきれない自分も少しだけ顔を出す。
阿「…っか！おい！ふっか！今どんな状況？」
阿部の声で我に帰り、女をさらりとかわして西田へと歩みを進める。
深「ごめんごめん笑。もうすぐ鍵取るよぉ。」
人をかき分けながらホールを進む。
西田の近くまで来たところで深澤も体を揺らしながらさらに歩みを進める。
ドンっと音がして西田が尻餅をつく。
西「いってぇ、ったくどこ見てんだよ！」
深「ああ、すみませーん！大丈夫ですか？」
声をかけ、ズボンを払う手伝いをするふりをする。その時にサッとポケットに入っている財布を抜き出す。そのまま財布ごと拝借し、西田から離れる。
西田は気づく素振りを全く見せない。
深「ゲットー。今から外出るわぁ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 287人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カ | 作成日時：2023年2月21日 15時
