50. No side ページ50
外では、救急車を待つ女性たちとSnowManのメンバーがいた。
女性たちには目隠しがされているが、それぞれが外に出られたことを理解しているようで、怯えている様子はあるものの、助けられたことが分かっているようだった。
しかし深澤の不安は消えていなかった。
Aの安否が分からなかったからだ。
深「照、佐久間と照が入ってから、誰か中に入って来た人とかいなかった？」
岩「え？どういうこと？誰もいなかったけど。怖いんだけど」
深「いや、ちょっと…」
舘「ふっか、言った方がいいと思う」
深「…実は、俺の部下が1人でここに来たんだ。俺と舘さんはずっと裏にいたんだけど、あいつぐるっと回って行っちゃったからさ、その後室内に入ったのか帰ったのかさえ分からないんだけど、もし室内にいたとしたら気絶させるわけにもいかないし、危険だから早く帰ってほしいんだけど…」
そう話しているとき、室内からパーンと銃声が聞こえた。
全員が2階を見上げ、女性たちは取り乱して、叫び始めた。
深澤は少し考えた後突然走り出し、別荘の中へと入ってしまった。
岩「え！ふっか！」
そのとき救急車がやって来て、深澤以外のSnowManメンバーは、その場を離れなければならなくなった。
木の影から女性たちが全員救急車に乗せられたことを確認する。
その頃深澤は、階段を駆け上がっていた。
2階に上がると、すぐに石田のいる部屋がわかった。
ドアを開けると、腹部から血を流した女性が仰向けになっている。Aだ。撃たれたところが悪かったのか、かなりの出血量で、意識が朦朧としている。
すぐ近くには鼻血を出して倒れている石田の姿が。
Aが撃たれた後、力を振り絞って頭に蹴りでも入れたのだろうか。側頭部にも傷がある。
深「おい！A！しっかりしろ！」
貴「……ゔっ、あ゛、ああ、な、んで、ふっかざ、わさんが、」
深「そんなこと今はどうだっていいから！おいしっかりしろ！今助けてやるから、ちゃんと助けてやるから！」
深澤はAを抱えて、急いで外へと出て、大声で叫ぶ。
深「照！救急車！救急車呼んで！早く！」
岩「え、きゅ、救急車！阿部！救急車呼んで！」
貴「、ふっか、ざわさ、い、ま、ひか、るって」
深「A！しっかりしろ！」
出血が止まらない。
Aは薄れゆく意識の中で、自分の名前を呼ぶ声に懐かしさを感じていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 287人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カ | 作成日時：2023年2月21日 15時
