steal my love (ページ49)

今日:19 hit、昨日:2 hit、合計:63,549 hit

49. No side ページ49

Aはぐるりと別荘の周りを一周して、再度正面に戻った。

その時室内から"キャー！やだ！来ないで！"と女性の声がした。

まずいと思ったAは、そのまま別荘に入り込んだ。

室内にいた岩本と佐久間はその悲鳴に驚き、顔を見合わせた。

岩「ふっか、聞こえた？ここに誘拐された人たちが捕まってる」

深「聞こえた。まずいな、とりあえず石田のことをどうにかしないと」

佐「俺と照で部屋探し出して、石田のことそのまま気絶させるから、その間に翔太たち呼んで。あと、阿部ちゃんに救急車呼んでもらって」

深「おっけい」

深澤と宮舘がその場を離れ、正面へと向かう。

その頃Aは、倒れている護衛と鉢合わせていた。

彼女は驚いた。なぜ倒れているのか。誰がやったのか。
まさか自分以外にも侵入している人物がいるのか。

何が起こっているんだ？

予想だにしない出来事に、Aは震えが止まらなくなった。

そのとき2階から、「誰だ！やめろ！」と言う大きな声が聞こえた。

震える体を押さえながら、Aは階段を上がり、1つだけ明かりがついている部屋へとゆっくり近づいていた。

途端1階から階段を駆け上がる音がバタバタと聞こえて、別の部屋に身を隠した。

しょうた、ひかる、さくま
という名前を聞き取ることができた。何者なんだ。

少なくとも自分以外に3人以上の男性がいる。ここで私の存在がバレたら自分は殺されるかもしれないとAは思っていた。想像を絶する恐怖だった。

女性の啜り泣く声が聞こえて、しばらくすると足音がおさまった。

Aは恐る恐るドアを開け、部屋の外へ出る。

ドアの隙間から灯りが漏れている部屋を覗くと、石田が倒れているだけで、周りには誰もいなかった。

何が起こったのかAは全く理解できずにいた。