48. No side ページ48
同日未明、まずはSnowManが石田の別荘に到着した。
石田はまだ現れていない。
別荘の周りには草木が生い茂っている。
しばらく待っていると、一台の大きな車が別荘へと入って来た。石田の車だ。
その場にいる全員が身構える。
石田が鍵を開け、中に入った。
室内に明かりが灯る。
護衛は全部で4人だ。
2人が石田と共に室内へ、もう2人は別荘の入り口で待機している。
深澤と宮舘が裏へと回り込み大きな物音や叫び声を出す。
異変に気づいた護衛は、裏へと様子を見に行った。
そのタイミングで佐久間と岩本が室内に入る。
"ゔっ"と声がして、外にいた護衛が倒れ込んだ。
深澤と宮舘は、そのまま2人を奥まで連れ込み、木にもたらさせ、そこから様子を見守る。
室内では、石田だけが別の部屋にいたため、リビングには護衛が2人いた。
岩本と佐久間は、まるで獲物を狙う肉食獣のように、音を一切立てず背後から近づき、2人を気絶させる。
岩「とりあえず、金探すか」
佐「にゃす」
その頃事情を知らないAが、別荘へと到着した。
室内に明かりがついていることから、石田が別荘に到着していることがわかった。
きっと石田のことだ、護衛をつけているに違いないと踏んだAは、まず別荘の裏に回り、様子を伺うことにした。
深澤と宮舘は、何者かがこちらに向かってくる気配を感じ取っていた。
深「誰か来る」
舘「うん」
別荘から少し離れたところにいるため、物音を立てなければ恐らく2人の存在には誰も気がつかない。
一歩ずつ裏へと回って来た人物の顔は見えないが、深澤にはそのシルエットに見覚えがあった。
"…まさか！"
その場から駆け出しそうになったところを宮舘に止められる。
舘「ちょっと、ふっか」
深「ああ、ごめん。あいつなんで…？」
舘「え、まさか、知り合い？」
深「…俺の部下で……Aさんの妹」
舘「…え、嘘だろ」
しかし今の深澤にはAを止める手段がなかった。
ここで後を追うと完全にバレてしまう。
ただ、遠くから見つめることしかできなかった。
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作者名：カ | 作成日時：2023年2月21日 15時
