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43. Your side ページ43

事件が発生してから1週間が経とうとしていた頃、私と深澤さんは上司に呼ばれて会議室に来ていた。




上「今回の殺人事件の捜査はもうやめろ」


貴「え…?どうしてですか!意味がわかりません!少しずつ犯人にも近づいてきているのに!なんでそんな突然!」


上「いいからやめろ。上の決定だ」



貴「そんなの納得できません!」



上「納得できなくてもやめるんだ!組織にいる以上上の決定に逆らうことはできない!いいか、やめろと言ったらやめろ」



貴「上の決定なんてそんなもの、、」

"私には関係ありません!"
というよりも前に深澤さんが分かりましたと応えた。

貴「深澤さん!」



上「下がっていい」



深「失礼します」




深澤さんは私の腕を引き会議室を後にした。



貴「深澤さん!なんで受け入れたんですか!まだ事件は解決していないのに!誘拐とだって関係があるかもしれないじゃないですか!だとしたら、被害者はまだ…!」



捲し立てるように叫び、深澤さんの手を振り解く。



深「A、これは仕方がない。俺らが何かを言ったところで、食い下がったところで決定は変えられない。もう捜査はしないって決まったんだ。打ち切り。それが警察ってもんだ。ここでやっていくんだったらお前ももう切り替えろ」


貴「そんなっ、、」









言葉がでなくて、その場で俯くしかなかった。
頭の上にポスっと深澤さんの手が乗ったのがわかった。





貴「こんなの私が貫きたかった正義じゃない。私は上の言うことを聞くために警察になったんじゃない…!たくさんの人を救いたいだけなのに…」












お兄ちゃんの手紙を読んだとき以来流してこなかった涙が私の頬を伝った。

でもその涙は、あの時みたいに私の気持ちを晴れやかにしてくれるものではなかった。悔しさも身体の外に流してほしいのに、涙の分だけ心のモヤモヤは大きくなるばかりだった。






そしてその時同時に、私の中の絶対的正義だった警察が悪の組織にも似たように思えて、何が正しいのか分からなくなった。



















頭に置かれた深澤さんの手がやけに大きく、温かく感じた。

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作者名: | 作成日時:2023年2月21日 15時

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