steal my love (ページ28)

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28. Your side ページ28

そして私は同時に、深澤さんの言ったあの言葉を思い出した。

"正義なんてものは人の数ほどあるんだ。何が正しい正義かなんて誰にもわからない"

私は、正義の履き違えだと信じて疑わなかったSnowManが、被害者たちにとっては、大衆にとっては正しく正義であり、救済であり、ヒーローなのである。

彼らだけではない。マルチの勧誘者やオレオレ詐欺の実行役たち、つまり加害者たちにとっても同じことが言える。今回逮捕された者の中に、「本当はもうこんなこと辞めたかった。でも抜けたらどこまでも追いかけて息の根を止めるって脅されて、続けるしかなかったんだ。だから、SnowManが俺を救ってくれたんだ」と話した者がいた。

金を稼ぐための手段を奪われた、そのきっかけを作ったSnowManは被疑者全員にとって敵のように見える。しかし必ずしもそうではない。一方では加害者においても誰かを救い、誰かの正義の味方になっている。

社会の反応が目の前に現れ、深澤さんのあの言葉の意味を改めて理解した時、彼が一体何者なのかさらに分からなくなった。何を考え、何を知っている人なのか。

いや、それどころか彼の存在自体に若干の恐怖さえも覚えた。