steal my love (ページ26)

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26. No side ページ26

次の日の朝、通帳を持ったスラっとした高身長の男が銀行にいる。カラーコンタクトにメイクを施しており、よく見ないと誰だかわからないが、眉毛の傷跡から判断するに目黒だ。

目「すみません、今日お金を下ろしたいと連絡していた吉田です」

結局、田中の名前は偽名で本名は吉田というらしい。

阿部が事前に銀行側に連絡をしてくれていたため、(偽物の)身分証を提示するとすぐに裏の小部屋に案内された。

机につまれた大量の札束をアタッシュケースとリュックサックに詰め、そそくさと銀行を後にする。

それをアジトへ持ち帰り、全員で分担して被害者の名前と被害額を確認し、封筒に1枚の紙と一緒にしまう。

被害者数は、田中改め吉田たちのグループによる、マルチ・オレオレ詐欺だけでも300人以上に及んだ。
その1つ1つを9人で分担して、被害者の自宅ポストに届ける。

人生に絶望した者、借金の返済のために日夜働き詰めになっていた者、友人との関係が悪化し孤立した者…

彼らはその全員に少しでも希望を与えたあと願った。
そして、もう同じ過ちを繰り返さないように己の行動を振り返ってほしいと願った。

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ラウールは、例の友人とカフェにいた。

目の前のかれはこの前ここにいた時とは打って変わって、表情が明るい。

友「誰かがお金を取り返してくれたんだ！」

ラ「え！ほんとに！そんなことあるの！」

友「うん、俺も信じられない！でもポストに封筒が入ってたんだよ！俺が支払った60万とこの紙が！」

ラ「よかった！ほんとによかったよ！」

その紙にはこう書かれてあった。

"あなたのお金を返します。
どうか生きる希望を捨てないで。
前を向いてください。

誰かに惑わされないで"

SnowMan

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佐「ねーねー、俺らってさグループ名みたいなのってないよねー。なんか作ろうよ。」

深「警察ではSnowManって呼ばれてるけどな笑」

佐「SnowMan！？なんで！」

深「いや、それはわかんない。気づいたらそう呼ばれてた笑」

岩「いいじゃん！SnowMan！」

渡「…雪だるまじゃね？」

佐「この紙に書いちゃおうよ！SnowManよりって！」

これを機に彼らは、自らSnowManと名乗るようになった。