25. No side ページ25
向井が奥の部屋にある金庫の解錠を始める。
ラウールは室内の写真を撮り、岩本は男を縛り上げる。
ラ「ねえ、岩本くんこの部屋なんか"おかしく"ない?」
岩「おかしい?何が?」
ラ「いや、なんだろう。何か…"おかしい"気がする」
そんな会話をよそに、深澤はPCにUSBを刺して情報をコピーしていた。
やはり、ここだけではない。同じ系列のグループが他にもある。被害総額はざっと見るだけでも5000万は下らないだろう。
コピーしようとしたファイルの中に1つ気になるデータがある。深澤がそれを開くと、氏名、住所、性別、電話番号が書かれた表が出てきた。
マルチの被害者のリストだろうか。
いや、それにしては何か"違和感"があると彼は感じていた。
深「んー?……あ!わかった!」
ラ「何!?」
向「何や!もうびっくりさせんといて!鍵開けられんくなるから!」
深「あ、ごめんごめん」
岩「ふっか何?」
深「いや、こいつらこれだけじゃないわ。多分オレオレ詐欺もやってる」
ラ「え!」
深「ほら、これ電話番号が固定電話ばっかり。それに載っている名前も昔っぽいっていうか、俺のじいちゃんとかばあちゃとかと似た名前。」
岩本が気を失っている男をデコピンする。
岩「お前らそんなこともやってたのか」
ラ「だからか!それだよ!この部屋"おかしい"と思った理由もそれだったんだよ!ほら見て、電話がこんなにたくさんある。固定電話もスマホも。1人4台くらいの量だよ。」
そう話していると、向井が開いたで!と叫ぶ。
向「やっぱ通帳やな。あ、でも現金もあるわ。とりあえず全部持って行くで」
阿「ふっか終わった?」
深「うん。終わった。ラウは?」
ラ「僕も終わったよ」
岩「よし、じゃあ出よう」
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作者名:カ | 作成日時:2023年2月21日 15時