腐れ縁【紫】 2 (ページ6)

今日:29 hit、昨日:11 hit、合計:128,080 hit

56 ページ6

食堂に着いて列に並んでいると、何だか色んなところから感じる視線。

何でこんなに見られてるの…？
ちょっとした恐怖と疑問を感じながら、今日の日替わりを頼む。
ちなみに今日はカレーライスらしい。

いつもの席に座り、ご飯を食べながら楓に聞いてみる。

貴「ねぇ、なんか今日すごい見られてる感じしない…？」

松「ん？いや、そりゃそうでしょ、社内は今あんたと深澤が付き合ってるって噂で持ちきりなんだから」

貴「はい？ちょ、ちょっと待って！どういうこと！？」

渡「ぎゃははっ」

腹立つ笑い方〜。
そもそも笑い事じゃないのよ！
渡辺を睨みつける。

渡「お前ら、朝からエレベーターでキスしてたんだって？笑」

カレーを一口頬張ったときに言われたから
思わず吹き出しそうになった。

貴「ゲホッ、ゲホッ、、、はっ、は〜！？」

渡辺がニヤニヤしながら私と辰哉を見てくる。
こいつ、朝からこのこと聞こうと決めてたって顔してやがる。

渡「ふっか、どうなんだよ笑」

深「ん〜？どうだろうねぇ笑」

貴「ちょっと、辰哉！ちゃんと否定して！」

貴「キスなんてしてないから！なに！何でそんな話が出てるわけ！？ちょ、もう！誰だこんなデマ流したやつ！」

深「まあまあ、お姉さんそんなに怒らないでさ笑」

深「言わせておけばいいじゃない笑」

何でこいつはこんなに能天気なんだ！？
辰哉と付き合うなんてあり得ないだろ！！
だって好きじゃないし、キュンキュンしたことだってな、、、

今までの出来事が思い出される。

耳元で囁く声や車の中で見せた優しい表情。
頭をなでてきたり、おでこに手を伸ばしてきたり…
どんどんいろんな辰哉がフラッシュバックして来て突然恥ずかしくなる。

ダメだ、ダメだ考えるな目黒A。
辰哉は幼馴染、というかただの腐れ縁だろ！

病み上がりで感覚が狂ってるだけだ！絶対そうだ！

頭をぶんぶんと振って、カレーに意識を戻す。

渡「え、やば何それ、お前その行動全然良くないよ」

深「あははははっ」

と笑いながら辰哉から向けられている視線は知らんぷりしておこう。